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“暴力“には人の心を引きつける何かがあるのだと思います/『ディストラクション・ベイビーズ』でついにメジャーデビューを果たしたインディーズ映画界の雄・真利子哲也監督〈視線の先〉インタビュー

トレンドニュース(GYAO) 5月20日(金)11時35分配信

 自主映画時代から注目を集め、大学院の修了制作作品『イエローキッド』が異例のロードショー公開、国際映画祭への作品出品歴も持つインディーズ映画界の雄・真利子哲也監督が満を持しての商業映画デビュー。その題材に選んだのが、理由なきストリートファイトに明け暮れる野獣のような若者を中心に、彼に引きずられるように暴力の渦に飲み込まれていく人々を描いた『ディストラクション・ベイビーズ』(5月21日公開)。この過激な衝撃作を完成させた監督に、その思いを聞いてみた。

■けんかに明け暮れる生き方をしていた人物は実在した!?

――監督への注目度からすると、もっと早くメジャーデビューしていてもおかしくなかったと思えるのですが? こんなに時間がかかった理由は?

 ちゃんとしたものが自分の中に浮かばなかった、というのが理由のひとつです。大きな作品を一本作ったからといって後が続かないというのを見てきていますので、持続可能な形で一本目を作れないかと試行錯誤していました。

――この映画の主人公にはモデルがいるそうですね。

 ミュージックビデオの仕事で愛媛県の松山に初めて行った時に、とあるバーのマスターの話を聞いて、その生きざまに感銘を受けたのがそもそものきっかけです。

――その話を聞いた瞬間に、「これは映画になる!」と思われたのですか?

 初めは映画の題材にしようとかではなく、単に興味を持ったというレベルでした。しかし取材を続けていくうちに、映画にしたいという思いがどんどん大きくなっていきました。実際、暴力の話って「ひどいことをしているな......」と思っても、気になって話に引き込まれてしまうんですよね。そんな、言葉で表現できないものと映像で真剣に向き合っていこうと考えたんです。『イエローキッド』がアメコミとボクシングを題材にした話で、その時の観客の反応もあって、暴力やアクションを選んだというのもあるかもしれません。

――『桐島、部活やめるってよ』の喜安浩平さんが共同脚本となっていますが、どのようなコラボレーションを?

『桐島~』のパンフレットを読んでいたら、喜安さんが松山出身と書いてあったのでお声をかけさせていただきました。「監督のオリジナル作品だから......」ということで、僕の原案は尊重してくださって、全体を俯瞰(ふかん)した上でズレた時に修正してもらうという形です。伊予弁に関しても直してもらいましたし。地方出身で東京にいる人の故郷に対する思いに関して、逆の立場にいる(東京から地方に撮影に行った)自分と比較できたのは大きかったですね。

――松山でオールロケされたんですよね?

 スタッフとキャストが同じ場所に泊まるというのは、大変望ましい撮影環境でした。ホテルから徒歩圏内で撮影していた場所も多く、夜のシーンも撮りやすかったですし、撮休の間も交流できますしね。映画に登場する祭り(みこしをぶつけ合う喧嘩神輿)のシーンは、三津にある厳島神社に行って撮影させてもらいました。「けんかに関する映画だ」というと役所の人は眉をひそめたかもしれませんが(笑)、祭りに関わっている人は興味を持ってくれました。

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最終更新:5月20日(金)11時35分

トレンドニュース(GYAO)