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千代女の色紙初公開 七尾、20日から書展

北國新聞社 5月20日(金)3時24分配信

 江戸中期に名をはせた俳人・加賀の千代女(ちよじょ)が七尾の寺院に嫁ぐ少女に贈った色紙2枚が20日、七尾市で開幕する書展(北國新聞社後援)で初めて公開される。寺院が秘蔵してきた色紙には、結婚前の美しさをアサガオに例えた句と、結婚後の心構えを鳥に例えた句が対になっている。最晩年の千代女が少女に向けた温かいまなざしが筆致ににじみ出る逸品で、千代女の真筆からその人となりに触れる貴重な機会となる。

 色紙は七尾市沢野町の真宗大谷派真證寺(しんしょうじ)が所蔵してきた。酒井惠照(えしょう)住職によると、同寺坊守だった酒井れん(1762~1832)が結婚前に津幡の俳人・河合見風(けんぷう)(1711~83)に弟子入りした縁で、松任の千代女(1703~75)と親交を深めたと伝わる。

 れんが真證寺に嫁ぐにあたって千代女が贈った色紙には「月と日の間(ま)を蕣(あさがお)のさかりかな」の句が書かれ、酒井住職は「朝の短い時間に一斉に咲くアサガオを、少女から夫人になる瞬間の『れん』の美しさに重ねたのだろう」と解釈する。

 もう一つの色紙に書かれた「郭公(かっこう)鳴けばこそ人のほととぎす」について、酒井住職は「解釈は難しいが、人としてそれなりの振る舞いをしてこそ、嫁いだ先の家族や門徒の皆さんに愛されるのだと諭したのではないか」と話している。

 2枚の色紙は20~23日、七尾市三島町の七尾産業福祉センターで開かれる映心会書作展21で特別展示される。映心会主宰の書家三(みつ)藤(ふじ)観映(かんえい)氏は「千代女の深い味わいの句と共に、伸びやかで柔らかい筆の運びを多くの人に鑑賞してほしい」と語った。

 会期中は午前11時と午後3時に解説が行われる。午後4~5時には来場者が希望する一文字を三藤氏が席上揮毫(きごう)し、熊本地震の義援金を募る。入場は無料。

北國新聞社

最終更新:5月20日(金)3時24分

北國新聞社