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信州の「凍り豆腐」 中性脂肪の抑制作用は伝統製法で増加 業界団体が発表

THE PAGE 5月22日(日)14時21分配信

 食後の中性脂肪上昇を抑えるなどの作用がある「凍り豆腐」(こうや豆腐)の成分が、製造工程中に増加していることが分かったと長野県の業界団体が19日、明らかにしました。原料への強い圧力と緩慢な凍結、低温による熟成など伝統的な独自の製法がレジスタントタンパク(不消化性タンパク質)を増やしていると説明。凍り豆腐の健康食品としての魅力が解明できたとして、レシピの普及などに力を入れていく方針です。

 凍り豆腐は高野豆腐と同様、豆腐を凍らせ低温で熟成させてから乾燥させたもので、いったん水で戻して料理に使います。寒天(かんてん)とともに長野県の諏訪地方など寒冷地でさかんに生産されてきました。

 長野県凍豆腐工業協同組合(登内英雄理事長)は旭松食品など県内5メーカーでつくる「こうや豆腐普及委員会」の研究結果として、2014年に「凍り豆腐にはコレステロール調節、食後の中性脂肪上昇を抑制する作用があることが分かった。これは凍り豆腐にレジスタントタンパクが豊富に含まれているため」と発表。さらに2015年に「凍り豆腐のレジスタントタンパクに脂質の吸収抑制効果が実際にあることを確認した」と明らかにしました。

 引き続き凍り豆腐になぜレジスタントタンパクが豊富なのか研究を続けた結果、その秘密は凍り豆腐の製造工程にあると判明。学術誌「薬理と治療」の4月号に研究結果を発表しました。この日は長野市内で業界役員や研究に当たった旭松食品の研究所副主任研究員で農学博士の石黒貴寛さんらが、詳細な説明をしました。

 それによると、普通の豆腐のレジスタントタンパクの含量は19~22%ですが、原料豆腐を作る段階で強い圧力をかけた凍り豆腐では27%台に増加。次にゆっくり凍結させる工程ではレジスタントタンパクが31%台にまで増え、低温熟成後には33%台に。凍り豆腐の製品になった段階では34%までになりました。

 レジスタントタンパクが増えた原因について、石黒さんは「まず強い圧力をかけることで豆腐の成分のタンパク質同士が結合し、レジスタントタンパクになる。次にゆっくり凍結させることで大きな氷の結晶が出来、その後の低温熟成によってさらに氷の結晶が成長してその圧力で大豆タンパクが強く結合し、レジスタントタンパクが形成されていく」と説明しました。

 伝統的な製法では低温熟成に20日間、乾燥に22日間など原料大豆を水に漬けるスタートから11もの工程と数十日の手間がかかります。冷凍装置などで一気に凍らせたり乾燥させても「レジスタントタンパクは増えない」と石黒さん。「凍り豆腐の凍結は『保存』が目的ではなく、『加工』するための凍結です」と説明します。

 長野県は年間2万トン弱の大豆原料を使う凍り豆腐の国内最大の生産県。業界ではこの結果を受けて凍り豆腐の製法やレジスタントタンパクへの理解を進めてもらうPRに取り組む方針。登内理事長は「凍り豆腐になじみのない人もいるようなので、健康にも役立てる信州の食品として分かりやすく説明していきたい」と話しています。

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■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説

最終更新:5月22日(日)14時21分

THE PAGE

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