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韓国ブラック企業「労災死亡者数ランキング」死亡率は日本の3倍

ZUU online 5月21日(土)8時10分配信

韓国において、加湿器に使う殺菌剤が原因で1500人超が死傷するという事件が明るみにされ、メディア等で大きく取り上げられている。最大の被害をもたらした殺菌剤を製造・販売した多国籍企業の韓国法人「オキシー・レキット・ベンキーザー」の代表は、2016年4月2日にソウルで記者会見し、謝罪するとともにしかるべき補償を行うことを約束した。

この事件は2011年春にすでに発覚していたもので、関係企業は10種類に及ぶ殺菌剤製品について有害だと認識しながら販売を続け、発覚後に証拠を隠蔽した疑惑さえあるのだという。人命よりも企業利益を優先させたとも捉えられるこの事件は、「家の中のセウォル号事件」とも呼ばれている。

■「2016年殺人企業」のランキングとは?

これまでにも韓国では「利益優先」の企業体質がたびたび問題の俎上に上り、その端的な例として、死亡労災事故の多発が取り上げられてきている。そうした中、労働健康連帯や毎日労働ニュース、大手労組の民主労総、韓国労総などで組織する「労災死亡対策制定共同キャンペーン団」が、「2016年殺人企業」のランキングを発表した。

同キャンペーン団がまとめた政府統計に基づく韓国の労災死亡者は、2001年~2014年までの間で3万3902人に上る。労災死亡者数には出退勤時の災害による死者や貨物輸送、バスなど特殊雇用労働者が含まれていないにもかかわらず、年間平均2400人以上の犠牲者が出ていることになるわけだ。

今回のランキングは、2015年中に発生した死亡労災事故件数に基づいている。無論「殺人企業」というのはいささかセンセーショナルに過ぎる呼び名とも思えるが、その背景にある問題の深刻さを考えると、一概に否定することはできないのかもしれない。

■ワースト企業は6人の死亡者を出したハンファケミカル

「最悪の殺人企業」と名指しされたのは、韓国化学大手ハンファケミカルだ。同社は2015年7月に蔚山工場で発生した爆発事故で、下請け労働者6人が死亡するという事故を引き起こしている。無資格請負業者に施工を任せていたほか、安全点検も形式ばかりというずさんな作業実態など、300件近くに上る法令違反が判明したにもかかわらず、起訴された工場長は執行猶予で釈放され、法人に対する処罰も日本円にして約142万円という軽微なものとなった。

ランキングの2位には、死亡労災事故で5人が死亡した韓国鉄道公社や、2件の火災事故などで5人が亡くなった大宇造船海洋など、4社が同数で並んでいる。また3位には、KTX工事現場の崩壊事故や、補修工事中の下請け労働者が列車にはねられるなどして4人が亡くなった韓国鉄道施設公団を始め、圧縮空気の代わりに窒素を送り込んで協力会社の労働者3人を含む4人を死亡させた半導体大手のSKハイニックスなど、4社が挙げられている。

同キャンペーン団は声明でハンファケミカルの事例を挙げ、社会的な影響力の大きい財閥企業の労災事故に警鐘を鳴らしている。軽すぎる処分を「労災死亡は企業による構造殺人」だとし、企業や政府官僚に組織的責任を問うための「重大災害の企業処罰法」の必要性を訴えているのだ。

■韓国財界に「特別賞」 進む危険の外注化

また同キャンペーン団は「殺人企業ランキング」とは別に、「特別賞」として韓国最大の経済団体である全国経済人連合会を選んでいる。2005年から2014年までの10年間について、労災死亡者数の上位50社の約8割にあたる39社が同連合会に所属する大手企業だったことや、派遣雇用の拡大や解雇規制の緩和など「労働者を死に追い込む緩和を強力に要求した」というのが選定の理由なのだという。

確かに過去10年間の労災死亡者数を見ると、最も多かった現代建設の110人を始め、大宇建設の102人、LGグループから分離した財閥系企業であるGS建設の101人など、財閥系企業が続いている。この他にも死亡者数の多い企業には、日本でも知名度の高い企業が軒並み名を連ねていることも事実だ。

さらに同キャンペーン団は韓国労働市場に広がる構造的な歪みとして、同連合会に所属する大企業が労災保険の適用を回避することを目的に、労災の恐れがある危険な現場業務を下請けに外注するケースが増加していることにも注意を喚起している。

■労災死亡率は日本の3倍…労働安全に関しては「途上国」

韓国産業安全保健公団によると、2012年を基準年とする労災事故死亡率は0.73で、日本の0.20、米国の0.35、ドイツの0.17など、他の主要先進国と比較すると極めて高い値となっている。この「労災事故死亡率」は年間労働者数1万人当たりの死亡者数の割合を示すもので、日本の3倍、ドイツの4倍を超える高率は、OECD加盟国でもトップレベルになるという。

こうした実情に対しては、韓国内でも「労働安全途上国」との自虐的な呼び名さえもが用いられている。「利益優先」に対する疑問視は、徐々に、けれども着実に、韓国民の間に浸透しつつある。

■韓国「2016年労災死亡者数ランキング」
1位:ハンファケミカル(死亡者数6人)
2位:韓国鉄道公社(5人)
2位:大宇造船海洋(5人)
2位:ポスコ建設(5人)
2位:大宇建設(5人)
3位:韓国鉄道施設公団(4人)
3位:SKハイニックス(4人)
3位:アサン金属(4人)
3位:高麗亜鉛(4人)

(ZUU online 編集部)

最終更新:5月21日(土)11時12分

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