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攻守にわたり貢献する阪神・原口 育成選手から這い上がった男

ベースボールキング 5月21日(土)8時1分配信

 19日の中日戦、2対2で迎えた9回裏一死満塁、打席に立った阪神・原口文仁はカウント3-1から中日・又吉克樹が投じたストレートをはじき返す。打球はセンターの頭上を大きく越えてワンバウンドでフェンスに到達。三塁ランナーの上本博紀がゆっくりと生還し、阪神がサヨナラ勝ちした。

 殊勲の一打を放った背番号94はペットボトルの水をかけられる手洗い祝福を受けると、ベンチ前で待っていた金本知憲監督とガッチリと抱き合う。これが原口にとって、プロ入り初のサヨナラ打だった。

 プロ7年目となる原口だが、ここまで辿ってきたのは長く険しい道のりだった。帝京高校時代は強肩強打の捕手としてプロのスカウトから注目される存在となる。高校3年夏には甲子園に出場し、準々決勝で県岐阜商に敗れベスト8に。この時のメンバーには2年生の控え投手として山崎康晃(DeNA)、1年生ショートの松本剛(日本ハム)、1年生ながら最速148キロのストレートを投げ注目された伊藤拓郎(元DeNA)と後にプロへ進む選手たちがいた。原口は09年秋のドラフト会議で阪神から6位で指名を受け、プロ野球選手としてスタートを切った。

 二軍で着々と経験を重ねていった原口だったが、プロ3年目の2012年に最初の試練が訪れる。シーズン途中で腰を痛め、その後復帰するも再び腰痛が再発。二軍で結果を残すことができず、自由契約選手を経て育成選手として再契約する。育成から支配下登録への返り咲きを誓った原口に苦難が続いた。育成選手となった13年には練習中のシート打撃で死球を受け左手を骨折。翌14年には右肩脱臼とケガに泣かされ続けてきた。

 しかし今年、原口の運命が変わっていく。背水の陣で臨んだ今春の安芸二軍キャンプでは掛布雅之二軍監督から高い評価を受け、キャンプ終盤には一軍の宜野座キャンプに合流。4月27日には待望の支配下登録復帰を果たし、背番号も124から94へと変わった。同日の巨人戦では代打から途中出場し、8回にはプロ初安打。翌28日には犠牲フライでプロ初打点をマークする。

 さらに、29日のDeNA戦でプロ初スタメンと一軍で出場機会が増えてきた。その後もスタメン出場は続き、5月11日の巨人戦では5番打者に抜擢された。

 今年の阪神は投手陣では岩貞祐太、横山雄哉。打者では高山俊、陽川尚将、板山祐太郎、横田慎太郎など多くの若手の抜擢が目立っている。育成から這い上がった原口もこの流れに乗り、正捕手の座へと一気に駆け上がっていきたい。

BASEBALL KING

最終更新:5月21日(土)8時1分

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