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日本のGDP1割占める三菱グループ 中核「金曜会」から三菱自は脱会?

ZUU online 5月22日(日)9時10分配信

燃費試験の不正報道以降、対象車種の販売停止など窮地に追い込まれた三菱自動車 <7211> に、日産自動車 <7201> が手を差し伸べ、その傘下に入ることになった。

過去、同社が経営危機に陥った際には、三菱グループの御三家と呼ばれる三菱重工業・三菱商事・三菱東京UFJ銀行、そして三菱UFJ信託銀行の4社が救済した。今回もグループ内企業が救済するだろうという観測もあったが、そうはならなかったようだ。日産自動車の傘下入りすることが決まったいま、三菱自動車は今後「三菱グループ」内でどのような立ち位置でブランドを活用していくのか。ここでは、あまり知られていない三菱グループの全貌と、三菱自動車の今後についてみていくことにする。

■世界一の企業グループ「三菱」 GDPの10%を握る

『週刊ダイヤモンド』2016年1月30日号の「三菱最強伝説」という記事が話題を呼んだ。
世界一の企業グループは、三菱グループだったという驚きの内容だ。世界44カ国におよぶ海外企業も含めると、757社が名を連ねる一大勢力となっている。

米フォーチュン誌の「Fortune Global 500」で世界1位とされたウォルマートの売上高は約53兆円。対する同グループは、有価証券報告書を元に主要企業を集計した結果、約58兆円とウォルマートを超えている。グループ企業を単独の企業と単純に比較はできないが、巨大なパワーを持っていることは確かだ。

三菱グループの日本での存在感はさらに大きい。同グループの総売上高は日本のGDPの10%超を占めているというから驚きだ。日本のGDPは2016年4月時点で約506兆円、対する三菱グループの総売上高は約58兆円となっている。純粋に日本企業の総売上高1181兆円から見ても、約5%にあたる売上を計上していることになる(2014年経済センサス基礎調査)。

■グループの中核「三菱金曜会」 知られざる階級社会

底知れぬ強大なパワーを持つ三菱グループには、三菱系29社の会長、社長が親睦を目的として集まる「三菱金曜会」が存在する。毎月第2金曜日に例会が開かれるためその名で呼ばれているようだが、単なる親睦会の域を超えた存在だ。現在の代表は、三菱東京UFJ銀行の平野信行取締役会長が務めている。

金曜会には暗黙の序列があり、トップには冒頭でも紹介した三菱重工業 <7011> 、三菱東京UFJ銀行、三菱商事 <8058> の御三家が君臨している。そして、御三家の下に主要10社、さらにその下に三菱自動車を含む残りの会社が続く。

グループ共通の社会貢献案件の審議や、社名に三菱を冠称することになった会社の紹介が主な活動だ。さらには政治・経済や文化・芸術など、各界で活躍しているゲストの講演も行うそうだ。

■金曜会「時価総額ランキング」

以下は、2016年5月18日の終値を基準にした時価総額をランク付けしたものだ。なお、首位の三菱UFJ FGには三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券HDが含まれている他、三菱ケミカルHDには三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンが含まれている。非上場の5社については、このランキングからは除外している。明記できた20社の時価総額合計は27兆円を超えている。日本企業時価総額1位のトヨタが18兆円であることから見ても、強力な集いであることがわかる。

第1位  三菱UFJ FG <8306>  7兆5067億円
第2位  三菱商事 <8058>  3兆 21億円
第3位  三菱地所 <8802>  2兆 9268億円
第4位  東京海上日動火災 <8766>  2兆 8203億円
第5位  三菱電機 <6503>  2兆 7785億円
第6位  キリンHD <2503>  1兆 6548億円
第7位  三菱重工 <7011>  1兆 4014億円
第8位  JXHD <5020>  1兆 551億円
第9位  三菱ケミカルHD <4188>  8304億円
第10位 旭硝子 <5201>  7832億円
第11位 ニコン <7731>  6153億円
第12位 三菱自動車 <7211>  5302億円
第14位 三菱マテリアル <5711>  4116億円
第15位 日本郵船 <9101>  3537億円
第16位 三菱ガス化学 <4182>  3041億円
第17位 三菱倉庫 <9301>  2656億円
第18位 三菱製紙 <3864>  277億円
第19位 三菱製鋼 <5632>  271億円
第20位 三菱化工機 <6331>  160億円

■三菱自動車は金曜会から脱会?

気になるのは三菱自動車の今後の立ち位置だ。日産の傘下に入るため、同社の相川社長は6月の株主総会をもって辞任、益子会長は当面日産との調整などにあたる。日産傘下に入りながら、三菱金曜会に所属し続けるのだろうか。

同社の広報にライターである筆者が直接電話で照会してみた結果、「現段階では未定」との返事だった。ちなみに、三菱グループの企業数カ所に問い合わせてみたが、いずれも対応は迅速かつ丁寧であった。今回の問題に関して、きちんと消費者に向き合おうとする姿勢が伺われた。

三菱自動車と日産の戦略的アライアンスは双方が対等なものだ。だが、今後ゴーン社長の元で、三菱自動車のカラーをどこまで出せるか不透明である。金曜会に所属し、後ろ盾の力を有効活用できるかに注目だ。(ZUU online編集部)

最終更新:5月22日(日)13時8分

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