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R32GT-Rが1000万円!RX-7、スープラ…「憧れの名車」購入の注意点

ZUU online 5月22日(日)17時10分配信

米国で日本の名車を評価する動きが高まっている。伝統的なクラシックカー・オークション「RMサザビーズ」では、トヨタ2000GTが9700万円で落札されたほか、マツダ・コスモスポーツは1400万円、日産スカイラインH/T 2000GT-Rが2085万円、R32GT-Rが1000万円で落札されている。

■心揺さぶる「自分のための一台」が欲しい

日本の名車が海外で評価されるのは嬉しい限りだが、読者のなかには若い頃、結婚や子育てを機に愛するスポーツカーを泣く泣く手放した人も少なくないことだろう。

子供が成人して、そろそろ「自分のための一台」を購入しようと思ったものの、最近の新車には心揺さぶられるスポーツカーが見当たらない。デザインが気に入らない、試乗しても何だか虚しくなってくる、自分がイメージしている「カッコいいクルマ」の価値観に見合ったものがないなど、新しいクルマに対して不満を抱いている人もいるかもしれない。何といっても「自分のための一台」である。絶対に妥協したくないのは当然であろう。

となれば、往年の名車を中古で購入する選択肢もでてくる。ただ、中古のスポーツカーは何かと不安もつきまとう。現実問題として購入を考えた場合、1990年代が限界だろう。

後述する「旧車いじめ」ともいえる日本の自動車税制を考えると、あと10年もすればスカイラインGT-R、RX-7、スープラなど90年代の名車も中古車市場から姿を消してしまうかもしれない。そこで今回は90年代の名車を選ぶ際の注意点を解説したい。

■名車を手に入れるには「気迫」と「覚悟」が必要

近年はスマホアプリでも気軽に中古車を探せるようになった。だが、スマホは画面も小さいので、画像の確認も限度がある。基本的には、通勤時などのすき間時間にスマホでざっくりと探してあたりをつけ、候補を絞ったら最後はPCで比較すると良いだろう。

今回ターゲットとしているスカイラインGT-R、RX-7、スープラなど90年代の名車は、現在も人気が高いので、数が限られてしまう。ここ数年は米国を始めとする海外勢の買い付けも見られ、20年前の車種でも数百万円もするものもある。

そうしたなかで、少しでも希望に近いものを探すのであれば、検索対象地域を「全国」に設定し、広く探していこう。往年の名車を手に入れるには、全国どこへでも出向き、何が何でも手に入れてみせるという、気迫と覚悟が必要だ。

また、スポーツカーを好む人は、運転が好きなので走行距離も長く、状態の良くないものがほとんどであることを前提として進めなければならない。もちろん、修復歴はなしを選ぶことをお勧めするが、予断は禁物だ。

■画像だけで判断するのは難しい

ある程度候補を絞ったら、次はどうするか。オークションであれば、画像の写りが良いものを選んで進めがちだが、クルマ選びは画像だけで判断するのは困難である。画像の質が悪くとも、良い状態のものを見落としてしまうかもしれないからだ。

出品しているショップの画像の質はそれぞれで、質が良いからといって信用しきってハズレを引いてしまう可能性もある。また、画像点数が多くても似たようなアングルばかりでは意味がない。点数が少なくて判断に迷った場合は、メールでショップに連絡して、希望の画像を送ってもらう方法もある。

キャプション(写真の説明文)も重要な手掛かりとなる。限られた文字数のなかに、ショップの熱意が込められている可能性もあるからだ。コピペを多用していたり、あまりにも短すぎるもの、良いことばかり書かれているのを鵜呑みにしないようにしたい。

そのほか、掲載があればユーザーの口コミも見ておこう。ただし、こちらも全部が全部信用できる口コミばかりではないので、参考程度にしておくこと。また、Webサイトの見積もり一括サービスなどを利用し、複数のショップの見積書も収集しておきたい。

見積書には、支払総額だけではなく、車両本体価格や整備費用、登録代行費用、車庫証明代行費用が詳しく記載されている。複数のショップの見積もりを比較しながら、値引き交渉のポイントを整理しておこう。

■ショップに確認すべき8つのポイント

次にショップに電話やメールで確認をとろう。ここでは(1)在庫確認、(2)クルマの状態を説明してもらう、(3)画像などで気になった点を質問、(4)必要に応じて追加の画像をメールで送付してもらう、(5)サビの進行具合、(6)整備工場を有しているか、(7)試乗できるか、(8)ショップに往訪する日時の調整……などを行う。

クルマの状態はWebサイトにも記載されているが、(2)であらためて確認しておくこと。先方の校正ミスで間違った情報が記載されている可能性もあるからだ。どんな細かい点でも内容に違いがあれば指摘して説明を求めよう。

クルマも人間と同じで加齢とともに老化が進行する。クルマの老化を象徴する一つがサビである。20年も経過して、サビのまったくないクルマなど存在しない。問題はどれだけ進行しているかだ。特に海沿いや雪国はサビやすい点に留意したい。

そのショップが整備工場を有しているのであれば、リフトでクルマを上げてもらって下回りを確認できるか質問してみよう。多少のサビは仕方がないが、下回りに広がっていたらアウトである。ショップがリフト使用に難色を示した場合もためらいなく候補から除外すること。だが、その要望をショップが快諾してくれたなら、一筋の希望となる。

試乗は必須である。これができなければ話にならない。どんなに良い条件を提示されても問答無用で候補から外すこと。試乗に要する時間はできるだけ長いほうが良いが、最低でも30分は確保したい。

先方の応対も要チェックだ。前述の画像やキャプション、見積書もそうだが、メールや電話での応対からも相手の「仕事の質」を読み取ることができる。

■いよいよ試乗!五感を総動員してチェックする

最終候補を絞ったら、実車を見にいってみよう。たとえ遠方でも必ず見に行くこと。画像だけでは分からない部分がたくさんあるからだ。

実車を見ると、想像していたよりも状態が良く見えてしまうものだ。ショップでボディをキレイに保っているし、なにより憧れの名車を目の前にすると「運命の出会い」を感じてしまい、チェックが疎かになりがちだ。ここは気を引き締めて臨もう。

バンパー、ホイールハウスなど、キズがつきやすい部分からはじめて、ボンネット、トランク、ドアなど開けられる部分を開けてみて、溶接の跡やひずみがないか「懐中電灯」で照らして確認する。エンジンルームでは、オイル漏れに注意しよう。カムカバーの下やインジェクターの周囲は入念に。ゴムの劣化や部品の調達状況も確認しておきたい。

サビのチェックも重要だ。まず、ボンネットやトランクの中、内装のフロアマットをはがし「懐中電灯」で照らして確認する。次にリフトでクルマを上げてもらい、下回りを「懐中電灯」で隅々まで照らして入念にチェックしよう。

■「クルマの声」に耳を傾け、心で対話する

いよいよ試乗である。エンジンの吹け上がり、異音がしないか、MT車のクラッチのすり減り、シフトのショック、ステアリングの異音など、実際に乗ってみなければ分からないことがたくさんある。何よりも大事なのは五感を総動員することだ。「クルマの声」に耳を傾け、心で対話するようにチェックしよう。

繰り返しになるが、憧れの名車のハンドルを握ったとたんに舞い上がってしまわないように注意すること。往年の名車は、現在の新車では味わうことのできない「ワクワク感」が最大の魅力なのだが、テンションが上がりすぎて細かい異変を見落としてしまわないように心がけたい。

可能であれば複数のショップを見て回ることをお勧めしたい。大切なのは経験を積みながら「見る目を養う」ことだからだ。休日などを利用して、自分だけの一台を求めて全国各地のショップを訪れるのも、宝探しの冒険にも似てなかなか楽しいものである。じっくりと時間をかけて「めぐり逢った一台」は、それだけ喜びも大きいはずだ。

■「旧車いじめ」もいい加減にして欲しい

ところで、日本では新車登録後13年を経過したクルマには、より重い自動車税を課して新車への買い替えを後押ししている。表面的には環境に配慮しているという名目で、燃費の良いクルマに乗ろうという機運に見えるが、クルマをスクラップにすることは環境へのダメージがないのか、また、製造時に出るCO2排出量については言及がないのかと不条理な気持ちになる部分もある。

米国ではクラシックカー登録制度があり、25年以上経過しているクルマは排ガス検査なしで輸入できるほか、様々な優遇措置がとられている。欧州でもドイツ、英国、イタリア、フランスなどでは、ヒストリックカーの自動車税の優遇や、自動車保険の減額が設けられている。

欧米では往年の名車を敬愛し、大切にする文化が育まれているのだ。日本も優遇しろとまでは言わないが、「旧車いじめ」もいい加減にして欲しいものである。(ZUU online 編集部)

最終更新:5月22日(日)17時10分

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