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東京オリンピック裏金問題 その背景と影響

エコノミックニュース 5月22日(日)22時39分配信

 2020年東京オリンピック・パラリンピックを巡り、招致委員側によっておよそ2億円超とも言われる裏金が支払われていたという疑惑を英紙「ガーディアン」が報じた。

 この報道では、13年の9月に招致委員会が国際陸上競技連盟(IAAF)のラミネ・ディアク元会長の息子であるパパ・ディアク氏が関係するシンガポール籍の企業ブラックタイディングズ社の所有する秘密口座に、およそ130万ユーロを送金したということを指摘している。委員会の口座開設に、電通の子会社が関与している可能性が指摘されている。

 このラミン・ディアク氏は国際陸連会長時代にはロシア選手によるドーピングの揉み消しの見返りとして、およそ100万ユーロもの賄賂を受け取った疑惑が報じられている人物である。そしてこの際の金銭授受に用いられていた口座こそ、現在の裏金疑惑において指摘されている口座なのだ。さらにラミン氏の息子であるパパ氏もまた、このドーピング疑惑に関し国際指名手配をされている状況にある。

 まず電通に関しては、これまでにも日本に限らず、国際的にさまざまな分野におけるスポーツマーケティグを掌握してきたという歴史がある。今回の疑惑に関しては、ブラックタイディングズ社の名義上の代表で口座の持ち主であるイアン・タン・トン・ハンという人物がコンサルティングをしているAMS社が電通の子会社であることが明らかになっている。

 また同時に、この送金がなされる3カ月前の13年6月、日本オリンピック委員会(JOC)理事会において、西武グループの元オーナーでもある堤義明氏(が最高顧問に就任することが決定された。

 堤氏は98年の長野オリンピック招致の際にも、視察に訪れたIOC委員への過剰なまでの接待や数億円にも上る寄付などを行なっており、「事実上の賄賂ではないか」との大きな批判も巻き起こった。JOC側としてはこのような批判を承知しつつも、何らかの裏工作が招致には必要であるとの考えが働き、堤氏の起用に至ったのではないかとの見方も存在する。

 今回の裏金騒動は単発的なものではなく、日本の社会・産業構造の根幹にある大企業やそれを取り巻く構造が影響をしている可能性がある。そしてこの影響は、現在東京五輪を目指している若者達にも及ぶことになりそうだ。(編集担当:久保田雄城)

Economic News

最終更新:5月22日(日)22時39分

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