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首都高老朽化の象徴、造り替えへ 40か月、一部通行止めで

乗りものニュース 5月22日(日)10時19分配信

誕生から50年以上が経過している首都高

 首都高速道路株式会社は2016年5月11日(水)、大井JCT(東京都品川区)の湾岸線から1号羽田線への経路を6月8日(水)の20時より40か月にわたって通行止めにすると発表しました。1号羽田線のうち、特に老朽化の激しい東品川桟橋部の造り替え工事にともなうものです。

 もっとも古い区間は1962(昭和37)年に開通した首都高。1号羽田線の東品川桟橋部は、首都高老朽化の象徴的個所です。TVニュースでも、首都高の老朽化に関する話題の際は必ず、その鉄筋コンクリート製橋脚の表面がボロボロになった映像が流されます。あのボロボロの区間がようやく造り直されると聞けば、ほっとする人も少なくないでしょう。

 ただし、この40か月間で東品川桟橋部の造り直しが完了するわけではありません。常に現状の往復4車線を維持しつつ段階的に工事が進められるため、すべてが完了するのは約11年後、2026年度の予定です。その途中、2020年の「東京オリンピック」前までは、あのボロボロの東品川桟橋(下り線側)が使われ続けることになります。

 ボロボロの橋脚があと4年間使われると聞いて、再び不安を抱く人がいるかもしれません。

「あそこは次に大きな地震があったら絶対崩れますよね?」
「いつ崩れてもおかしくないと思って、なるべくあの場所は通らないようにしていますが、大丈夫なんですか?」

 私(清水草一:首都高研究家)自身、このような質問をよく受けます。そのたびに「大丈夫だと聞いていますよ」と答えていますが、本当に大丈夫なのか、改めて首都高に聞いてみました。

造り替える本当の理由

――TVニュースでよく流れる桟橋部のボロボロになったコンクリート表面の映像ですが、表面のコンクリートが剥離することで、構造物としての強度が下がることはないのですか?

首都高広報部「点検を実施しており、現時点では問題ないことを確認しています」

 1995(平成7)年の阪神・淡路大震災により、阪神高速の高架橋が倒壊したことで、道路橋の耐震基準が見直されました。これにともない順次、既設道路にも耐震補強工事が行われ、首都高では全線完了しているはずです。


――東品川桟橋部にも、間違いなく耐震補強を実施したのでしょうか?

 首都高広報部「実施しています。ただし、構造物の長期的な安全性を確保する観点から、耐久性の高い橋梁への造り替えが必要と考えています」

 つまり、一見ボロボロに見えるけれど、内部までそうであるわけではなく、あれでも阪神・淡路大震災クラスの揺れに耐えるはずであり、造り直すのは長期的な観点から、というわけです。

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最終更新:5月23日(月)10時50分

乗りものニュース