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最高水準、美の熱気 日展金沢展開幕、県立美術館

北國新聞社 5月22日(日)2時54分配信

 改組新第2回日展金沢展(北國新聞社、日展、日展石川会主催)は21日、金沢市の石川県立美術館で開幕し、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門で日本の美術界を牽引(けんいん)する作家陣の秀作334点が並んだ。初日から大勢の美術ファンが詰め掛け、国内最高水準の美と向き合う熱気が広がった。

 金沢展は昨年秋に東京で開かれた本展の巡回展で、本展の入賞作など基本作品244点と、県内在住・出身作家らの意欲作90点が公開された。

 工芸美術の展示室では、美術工芸王国・石川を支える重鎮、中堅、気鋭の作家が近作を寄せた。文化勲章受章者の大樋陶冶斎(とうやさい)さん(日展顧問、金沢市)の「黒陶銀彩(こくとうぎんさい)『申(さる)』天空走(てんくうはしる)」は、独特の筆致で洒脱(しゃだつ)に描き出したサルと緑釉(りょくゆう)の味わい深さが愛好者を引き込んだ。

 文化功労者の三谷吾一さん(日展顧問、輪島市)は「黄昏(たそがれ)」で、沈金の点彫りと金、プラチナ箔(はく)などを駆使して夕暮れの情景を色彩豊かに表現し、日本芸術院会員の武腰敏昭さん(日展理事、能美市)の「無鉛(むえん)釉(ゆう)『空の王者』」は磁器に無鉛釉薬でワシの姿を大胆に配し、卓越したデザイン力を示した。

 人形作家の奥田小由女(さゆめ)日展理事長は、慈愛に満ちた女性像に平和への願いを託し、精緻(せいち)な手わざに来場者が感嘆の声を上げた。白山市小柳町の主婦山本恵美子さん(60)は「洋間に合うような、斬新なデザインの工芸作品に引かれた。石川の作家の作品も多く、親しみやすかった」と話した。

 日展は、1907(明治40)年に始まった文展を前身とする総合美術展で、金沢は2年に一度、巡回している。

 会期は6月12日まで。入場料は一般千円、中高校生700円、小学生400円となっている。

北國新聞社

最終更新:5月22日(日)2時54分

北國新聞社