ここから本文です

「YKKAPアメリカ社・25年の軌跡と展望」〈溝田会長〉(上)=高品質・耐久性で需要開拓

鉄鋼新聞 5月23日(月)6時0分配信

 YKKAPの米国法人であるYKKAPアメリカ社(本社・ジョージア州アトランタ市)は1991年に設立され、カーテンウォールや店舗用建材のストアフロントなどビル用アルミ建材を現地市場に供給している。07年からは住宅用の樹脂窓事業を本格展開。着実に事業領域を広げてきた。設立25年を迎えた同社の成長の軌跡を、立ち上げから同社を支え続ける溝田光洋会長に聞いた。
(米ジョージア州ダブリン市発=古瀬唯)

――まずは設立から現在までを振り返って。
 「準備段階から参画しており振り返ると非常に長かった。83年にファスニングの技術者として米国に赴任。その後建材に転じて米国アルミ建材事業を立ち上げるグループに入った。91年に当社が設立され、翌年にはジョージア州のダブリン製造所が稼働。加工部門の事業計画やマーケティングなどを経て、当時新規開設されたワシントン近郊のボルチモア支店でマネージャーを務めた。その際に採用したセールスマンが現在社長のオリバー・ステピ氏。私がアトランタの支店に異動し彼がボルチモアのマネージャーになった。アトランタ支店の後は支店網を統括する立場で、三つだった支店を六つ増やした。そこで事業を成長させながら人材を育てることの大切さを学んだ」
――現地需要に即した商品戦略も成長の原動力に。
 「92年にフロリダ州でハリケーンによる甚大な被害が出て、建築関連の規制ができた。その中で人命や建物を守るために必要なスペックの製品を日本の助けを借りながら90年代中盤に出せたことが成長の一つの要因だ。ハリケーンに対応する商品群はその後プロテックのサブブランド名でフロリダ州から販売地域を広げてきた。ハリケーン対応のビル建材は当社が業界に先駆け開発。先行者として市場からの評価を勝ち得ることができた」
 「また09年からはエナジーファサードの名称で高断熱の建材を販売。カーテンウォールや店舗用建材のストアフロント、ドアも含めたシリーズで建物を省エネ化できることが特徴だ。建築規制に先行した高付加価値製品を開発し、市場に投入してきた」
――リーマンショックによる世界不況の影響と、そこからの回復については。
 「リーマンショックは米国発であり影響は非常に大きかった。09年にはビル関連の市場が半分ほどに減少し、当社の売上も4割ほど減った。現在までに市場は不況前の7割位まで改善しており、ビル建材の売上げは9割近くまで戻してきた。また07年から始めた戸建て住宅用の高断熱樹脂窓が、この2年で年率2~3割の大きな伸びを示していることも期待材料。今後はビル、住宅向けともにさらに成長させる」
――米国での拡大を支えた競争力は。
 「素材や商品などのコア技術を日本から持ち込み、市米国市場に合わせたアイデアを入れてきた。また設立時には溶解鋳造や押出機で最新鋭の機械を導入。高い生産性など設備面での競争力も発展を支えた。製品面では表面処理のアルマイト加工で、さびに強く耐候性が高い複合皮膜の技術を持っていたことが強み。高性能で寿命が長い製品も成功のカギになったと思う。営業面では支店というモデルが特徴。他社は地域ごとにサービスセンターとして在庫拠点を置く形だが、我々は支店長の下に見積もりや顧客サービスの担当を擁しており、拠点の機能が非常に厚い」
――この4月に就任したステピ新社長に期待する点は。
 「新社長とは長く二人三脚でやってきた。考え方や課題へのアプローチで共通する部分が多く、安心感がある。またその中で米国人としての発想があるので、土台が完成した当社をどのように成長させるか期待したい。製品や商圏など個々の戦略はあるが、将来に向けて本当に重要なのは人材を育てること。創業間もなく入社した社員が我々の手法を吸収し、現在は経営の中核を担っている。今後も人づくりに真摯に取り組まなければどんな戦略があっても実行は難しいだろう。まずは人材をしっかり選び採ることに注力してほしい」

最終更新:5月23日(月)6時0分

鉄鋼新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]