ここから本文です

日本酒オイシイネ インバウンド急増 輸出へ好循環も 関西の酒蔵

日本農業新聞 5月23日(月)12時30分配信

 酒造メーカーが観光客向けに公開する酒蔵の資料館や記念館が、訪日外国人(インバウンド)から人気を集めている。年間来場者数の約3割をインバウンドが占める所もある。メーカー各社は、パンフレットやホームページを英語や中国語、韓国語など多言語表記にするなど対応に力を注ぐ。酒造りの工程からPRすることで、海外からのファンを増やし、輸出増を目指す。

 京都市伏見区の酒造メーカー・月桂冠(株)。本社近くに設ける「月桂冠大倉記念館」には、約400点の酒造りの用具類が展示され、醸造の工程や試飲が楽しめる。年間15万人が訪れる人気スポットだが、ここ数年急増しているのが、インバウンドだ。「海外では、ワインの醸造所巡りが一般的。日本でも体験したいという需要がある」と同社広報課。

 英語や中国語、韓国語での展示説明やパンフレットを配置。3月には、記念館に加え、伏見の歴史などを紹介するインターネットの英文サイトも開設し、積極的に海外に発信する。

 ドイツから同記念館を訪れていたギュンター・バックルさんは「日本酒はおいしいし、文化も興味深い」と話し、土産用の日本酒を熱心に選んでいた。同社広報課の田中伸治課長は「日本人の主食である米からできる日本酒を味わって、日本の文化も知ってもらいたい」と強調する。日本で日本酒に親しんでもらうことで、輸出への好循環にもつなげたい考えだ。

 白鶴酒造(株)(神戸市)の「白鶴酒造資料館」も、15年度は来場者の3割(4万人)をインバウンドが占めた。同社も、多言語表記のホームページやパンフレットなどで対応。前年に比べて外国人は3割増えた。

 海外での日本酒の普及に取り組む、関西国際大学の李容淑客員教授は「日本酒を飲んでもらうだけでなく、その背景にある醸造技術や文化を伝えることが、ファン獲得につながる」と指摘する。

日本農業新聞

最終更新:5月23日(月)12時30分

日本農業新聞