ここから本文です

もてなしの「ごっつぉ」受け継ぐ 能登でアジなれずし教室

北國新聞社 5月23日(月)2時59分配信

 能登町三波(さんなみ)公民館は22日、奥能登に伝わるアジのなれずし「あじのすす」の料理教室を初めて開いた。能登の祭りで客人をもてなす風習「よばれ」で振る舞われてきたが、近年は高齢化で作り手が減っていた。公民館はよばれに欠かせない「ごっつぉ」(ごちそう)として光を当て、転入者や若い主婦に広めていく。

 「あじのすす」は、能登のキリコ祭りに向けて、サンショウの葉が大きくなった5~6月に作る。ご飯、塩漬けしたアジ、サンショウの葉、唐辛子の順で、繰り返しおけに敷き詰め、1カ月ほど発酵させる。

 三波公民館で開かれた郷土料理教室(北國新聞社後援)では、20年以上にわたり、なれずしを作っている主婦畑中きん子さん(75)が講師を務めた。作ったことがない主婦や移住者の夫婦ら約30人が参加し、約10キロを仕込んだ。畑中さんは、均等に敷き詰めるよう助言しながらも、「気候などの条件に左右されるので、失敗はつきものだ」と話した。

 公民館によると、作り方や発酵期間は各家庭で微妙に異なり、「その年、その家ごとの味がある」という。しかし、魚の処理に手間が掛かることから、近年は家庭で作らず、市販品を買い求める人が多くなったという。

 料理教室では、炊きたてのご飯にきな粉をまぶして朴葉(ほおば)で包む郷土食「朴葉飯」も作った。朴葉が柔らかい5~6月にしか味わえず、かつては農作業に持っていき、昼やおやつに食べたという。

 公民館は今年度、地元のベテラン主婦を講師に招いた郷土料理教室を数回開催する。

北國新聞社

最終更新:5月23日(月)2時59分

北國新聞社