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株主は声を上げよ! コーポレートガバナンス・コード導入で何が変わった?

THE PAGE 5月25日(水)7時0分配信

 東芝の不正会計問題やセブン&アイ・ホールディングスのお家騒動など、日本におけるコーポレート・ガバナンス(企業統治)があらためて問われています。日本の証券市場では、昨年からガバナンスを強化するための施策である、コーポレートガバナンス・コードが導入されているのですが、効果を発揮しているのでしょうか。

コーポレートガバナンス・コードとは?

 コーポレートガバナンス・コードは、金融庁と東証が共同で開催した有識者会議での議論をもとに策定されたもので、昨年の6月から証券取引所に導入されています。現在、東証に上場する企業は、このコードに準じたガバナンスを実施しなければなりません。

 具体的には、株主の権利・平等性の確保、株主以外のステークホルダーとの適切な協働、適切な情報開示と透明性の確保、取締役会の責務、株主との対話という5種類で構成されています。この中でも特に重要なのが株主の権利と取締役会の責務です。

モノ言わぬ株主が公的年金に打撃を与えていた?

 日本企業はこれまで株主の権利が弱く、基本的に、経営者と従業員の意向で会社のかじ取りが行われてきましたが、最近になってこれが大きな弊害をもたらしています。株主の立場が相対的に弱かったことから、日本企業はあまり配当や株価を意識していませんでした。しかし、これが公的年金の財政を圧迫し始めたのです。

 公的年金は高齢化の進展によって、徴収額を支払額が上回る状況が続いており、このままの状態が続けば、年金の積立金が枯渇してしまいます。公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は世界最大の機関投資家ですが、安倍政権は年金財政を維持するため、企業が株主に対してもっと利益を還元するようガバナンス改革を実施しました。このところ株主への配当を強化したり、自社株買いを積極的に行う企業が増えているのは、このコードが導入された結果といってよいでしょう。

取締役の好き勝手は許さない

 取締役会の責務については、海外に対する透明性を確保する狙いがあります。日本の市場は欧米と比較して企業の透明性が低く、これが海外からの投資資金流入の障害となっていました。策定されたコードでは、取締役が好き勝手に会社を経営することができないよう、外部監督の制度構築が必要としており具体的には、最低2名の社外取締役が求められています。

 セブン&アイの経営者交代劇では、世襲を強行しようとした経営トップに対して、社外取締役が主導する形で辞任に道筋を付けたといわれています。一連の人事が実現したのは、同社にしっかりとしたガバナンス体制があったからです。これは、今後の日本の証券市場にとってプラスの効果をもたらすでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5月25日(水)7時0分

THE PAGE