ここから本文です

亡き老犬に捧げる車いす 軽量化追求、手作りで安価に 高校生グループ /千葉

千葉日報オンライン 5月24日(火)12時11分配信

 千葉県立大網高校(大網白里市)の生物工学科の生徒11人のグループが、加齢や病気で歩くことができなくなったイヌのための車いす作りに取り組んでいる。数パターンの試作を経て、塩化ビニル管を材料にした改良版を今月初めに製作。今後微調整を加え、今夏をめどに最終形を完成させる予定だ。

 車いすプロジェクトは昨冬から、同科の生徒らが畜産や農業を学ぶ「中正農場」(千葉市緑区)で始まった。きっかけは愛玩動物を扱う授業の一環で飼われていた雌のウェルシュコーギーペンブローク「ハッチ」のヘルニア発症。下半身不随で歩行困難になっていた。

 車いすの完成も目前で献身的な介護を受けていたハッチだったが今月19日朝、容体が急変。病院へ向かう車中、12歳で息を引き取った。

 「去年の春、下半身の動きが悪くなった。リハビリもさせたが寝たきりになってしまった」。プロジェクトを引っ張る同科3年の豊永壮大さん(17)が製作の動機を語る。「何とかして歩かせてあげたかった」

 豊永さんらによると、市販の歩行補助器具は8万~20万円と高価。購入が難しかったため、学習を兼ねて手作りすることにした。市販品を参考に、車体で下半身を支えイヌが自分の前脚で歩けるように設計。製作費を抑えるためにホームセンターや100円ショップなどで安価な材料を探したほか、老犬でも引けるように軽量化にこだわるなど、試行錯誤を繰り返した。

 ハッチのために製作したのは5号機となっていた。塩ビ管のボディーに四つの車輪を付け、胸や腹をゴムで支える構造にした。材料費は約5千円。重量もこれまでで一番軽く、2キロほどに抑えた。細かい課題はいくつか残っているが「立って排せつできるようになり、体が汚れることもなくなった」などと豊永さんは成果を強調する。

 ハッチは死んだが、今夏の完成を目指しプロジェクトは続行する。今回得た知見を生かし、他の老犬にも応用する考えだ。同高担当者は「改善すべき点は明確になっている。死んだイヌのためにも直してしっかりと完成させ、墓前に捧(ささ)げたい」と力を込めた。

最終更新:5月24日(火)12時11分

千葉日報オンライン