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老齢年金の支給開始年齢の引上げで存在感を増す「高年齢雇用継続給付」

マネーの達人 5月25日(水)5時11分配信

厚生年金保険に加入していた方が受給できる老齢厚生年金は、60歳から支給されておりましたが、平成6年と12年に法改正が行なわれ、現在のように65歳になりました。

ただ既得権を保護する観点などから、長い年月をかけて徐々に支給開始年齢を、60歳から65歳に引上げているので、現在でもまだ60歳から65歳になるまでの間に、老齢厚生年金を受給できる方がいるのです。

この60歳から65歳になるまでの間に支給される老齢厚生年金は、一部の方に特例的に支給されている年金なので、「特別支給の老齢厚生年金」と呼ばれております。

例えば厚生年金保険に加入していた男性の場合、次のようなスケジュールで、特別支給の老齢厚生年金の引上げが実施されており、昭和28年4月2日以降生まれの方から、60歳から65歳になるまでの間に、無年金の期間が生じるようになりました。

なお厚生年金保険に加入していた女性の場合、男性より5年遅れで引上げが実施されているので、昭和33年4月2日以降に生まれた方から、無年金の期間が生じるようになり、昭和41年4月2日以降生まれの方から、完全に65歳になります。

このように老齢年金の支給開始年齢が引上げされるほど、存在感を増すものがあります。

それは雇用保険から支給される「高年齢雇用継続給付」です。

継続雇用か再就職かで種類が変わる

高年齢雇用継続給付は2種類に分かれ、60歳以降も同じ会社に、継続雇用されている方に支給される、「高年齢雇用継続基本給付金」があります。

またいったん退職した方が60歳以降に、基本手当を100日以上残して再就職し、かつ再就職手当を受給していない場合に支給される、「高年齢再就職給付金」があります。

いずれについても

「60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者であること」
「雇用保険の被保険者期間が5年以上あること」

という、支給要件を満たさなければなりません。

またいずれについても60歳到達時点の賃金を100%として、60歳以上65歳未満の各月の賃金が、61%以下に低下した場合に、各月の賃金の15%相当額が支給されます。

例えば60歳到達時点の賃金の月額が40万円の方がおり、この方の60歳以上65歳未満の各月の賃金が、24万円に低下した場合、61%以下に低下したことになるので、24万円の15%に相当する、3万6,000円が支給されるのです。

なお60歳以上65歳未満の各月の賃金が、61%超75%未満に低下した場合にも支給されますが、支給率は15%から一定の割合で逓減され、75%以上になると支給されなくなります。

また各月の賃金が34万1015円を超える場合、もしくは高年齢雇用継続給付として算出された金額が、1840円を超えない場合にも支給されません。

この金額は平成27年8月1日から、平成28年7月31日までのものであり、原則として毎年8月1日になると、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに、変更されることになっております。

■「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の相違点

ここまでは「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の共通点になり、逆に相違点は次のように、支給される期間が違うことです。

【高年齢雇用継続基本給付金】
60歳に達した月から、65歳に達する月まで

【高年齢再就職給付金】
・基本手当を100日以上残している場合
→再就職した日の翌日から、1年を経過する日の属する月

・基本手当を200日以上残している場合
→再就職した日の翌日から、2年を経過する日の属する月

ただ高年齢雇用継続基本給付金と同じように、「65歳に達する月まで」という上限があります。

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最終更新:5月25日(水)5時11分

マネーの達人