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金利高いが、少額取引でも値動き大きい 短期取引には要注意 南ア・ランド

THE PAGE 5月31日(火)7時0分配信

 ランドは南アフリカの通貨です。南アフリカは、かつて人種隔離政策(アパルトヘイト)を実施していましたが、1991年にアパルトヘイトの廃止を宣言。1994年には民主的な選挙が実施され、その後は、急速な発展を遂げてきました。現在、1人当たりの国内総生産(GDP)は約6000ドルと、タイや中国などアジアの新興国に迫る状況となっています。

気になる国と通貨のいま

資源価格と中国経済の影響受けやすく、インフレ傾向で金利も高め

 南アフリカは基本的に資源国という位置付けであり、鉄鉱石、金、ダイヤモンドなどを輸出しています。以前は日本向けの輸出が活発でしたが、現在は、中国向けの輸出が圧倒的に多く、中国経済への依存度が高いという特徴があります。他の資源国と同様、資源価格の大幅な下落と、中国経済の失速によって、南ア経済も成長率が鈍化しています。

 しかし、同国のGDPで大きな割合を占めるのは、金融・不動産や小売といったサービス業となっており、内需経済もそれなりに育っています。資源価格の下落で成長は鈍化しているものの、壊滅的な状況にはなっていません。

 同国は基本的にインフレ傾向が顕著でした。最近は鈍化傾向がみられるものの、それでも毎年4~5%台の物価上昇率となっています。これに伴って金利も高めに推移しており、為替取引でよく使われている通貨の中では、もっとも金利が高い部類に入ると考えてよいでしょう。

流通量少ないため、少額でも大きく値動き 短期取引には注意が必要

 為替相場については、資源価格の下落や中国経済への懸念から下落が続いており、今年に入ってランドは対ドルや対円で最安値を記録しました。ランド安に伴って輸入物価が上昇していますから、インフレ傾向が再び顕著になるとの懸念も出てきています。ただ、同国の中央銀行にあたる南アフリカ準備銀行は利上げに踏み切っており、インフレに対して否定的ですから、どちらかというと景気失速のリスクの方が大きいかもしれません。

 ランドは流通量が少なく、少額の取引で大きく値が動く通貨として知られています。つまりボラティリティの高い投資対象ということになりますから、短期的な取引を考えている個人投資家は注意が必要です。一方、高い金利に着目し、長期的なスパンで投資を試みる人もいるでしょう。ランドの金利は、資源価格や米国の利上げ動向に大きな影響を受ける可能性が高いと考えられます。中長期で投資を検討している人は、米国の金利動向や資源価格について、常にチェックしておく必要がありそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5月31日(火)7時0分

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