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精神疾患のケアが必要な妊産婦、年4万人相当 貧困・未婚も要因か

エコノミックニュース 5月26日(木)8時19分配信

厚生労働省研究班(研究代表者 光田信明、大阪府立母子保健総合医療センター産科主任部長)が発表した推計によると、うつ病などで治療や精神面のケアが必要な経産婦が年間にして4万人いるという。昨年11月に出産した妊産婦について、全国の医療機関2,453施設で精神疾患の治療やケアの必要性を尋ねたところ、1,073施設から回答があり、出産した約39,000人のうち1,551人(4%)が治療やケアが必要と判断された。全国で年間約100万人が出産していることから、4万人に相当すると考えられる。

1,551人のうち、診断・治療を受けていたのは459人(30%)で、276人(18%)は薬を服用。381人(25%)は過去に診断・治療歴がないとみられるという。おかれている環境を分析すると、未婚や貧困などの問題を抱える人が目立ち、診断・治療歴のない381人は「近所付き合いがない」「実母との折り合いが悪い」という傾向にあった。

4月にユニセフが公表した報告書によると、0~17歳の子どものいる世帯を分析したところ、日本は41ヵ国の中で8番目に落差が大きく、所得が下から10%にあたる最貧困層の所得が標準的な層(中央値)の39.8%に止まっている。「相対的貧困率」においては、日本の子どもは6人に1人が貧困層にあたるという。

また、厚生労働省の「人口動態調査」によると、出生総数に占める嫡出でない子の割合は、データを取り始めた1947年は戦後の混乱期にあたるため3.8%と高いが、75年には0.8%にまで下がったものの、緩やかに上昇し続け2014年には2.3%に達した。未婚のひとり親世帯は寡婦(夫)控除の対象外で、「みなし適用」を行う自治体もあるが、実際の所得税や住民税が控除されるわけではない。

東京都監察医務院などの調査によると、東京23区で2005~14年の間に計63人の妊産婦が自殺で命を落としている。出産数に占める割合は10人万人あたり8.5人の計算で、出血などによる妊産婦死亡率のおよそ2倍に上る。妊娠・出産期の死因のトップが自殺ということになり、精神面のケアがいかに重要か考えさせられる。(編集担当:久保田雄城)

Economic News

最終更新:5月26日(木)8時19分

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