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クアードの部で日本が強豪アメリカを撃破し、準決勝進出 [車いすテニス世界国別選手権]

THE TENNIS DAILY 5月26日(木)13時13分配信

「BNPパリバ ワールドチームカップ 車いすテニス世界国別選手権」(5月23~28日/ハードコート/有明コロシアム、有明テニスの森公園コート)の大会3日目は、クアードの部の日本代表が昨年優勝国のアメリカを2勝1敗で下し、決勝トーナメント進出を決めた。

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 シングルス2で出場した川野将太(シーズアスリート)の対戦相手は、アメリカの2番手を務めるニック・テイラー(世界ランク12位)が予想されたが、試合当日のオーダーには3番手のブライアン・バーテン(13位)がエントリーされた。

 川野とテイラーの対戦成績は、最近では川野に分があり、アメリカは川野対策として現在、彼に4連勝中のバーテンをぶつけてきた。予想とは異なる相手だったが、「それにも動揺せずにプレーできれば、必ず勝てると信じていた」と川野。ファイナルセットまでもつれた試合は、川野が6-3 3-6 6-1でものにし、シングルスの1勝を挙げた。

 日本のエースとして登場した諸石光照(フリー)は、アテネ・パラリンピックで銀、北京で銅、そしてロンドンでは銀メダルを獲得した実力者のデビッド・ワグナー(2位)と対戦。川野のつくったチームのよい流れに乗りたかったが、2-6 2-6のストレート負けを喫した。勝負は3試合目のダブルスへと持ち越された。

 粘り強く戦う日本の川野/諸石は、第1セットをゲームカウント7-5で先取するも、続く第2セットはアメリカのワグナー/テイラーが6-4で奪い返し、最終セットは10ポイント先取のスーパータイブレークへと突入した。

 ワグナー/テイラーのゲームポイント2-1の場面から、川野/諸石が6ポイントを連取。その後、日本は7-4、8-6と、アメリカに詰め寄られるもわずかなリードを守り、最後は2連続ポイントで勝利を手にした。

「昨年の国別選手権の決勝でアメリカに負けたが、1年間作戦は練ってきたし、その作戦がうまくいった」と諸石。パートナーの川野は「アメリカを撃破する、というふたりの目標は一致していて、どこをどうすれば勝てるかを互いに話し合ってきた。今日の作戦は完璧」と喜びを見せた。

 26日(木)、日本はイギリスと準決勝を戦う。

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 男子1部の日本はベルギーに勝利し、準決勝に駒を進めた。シングルス2の眞田卓(フリー)は、格下相手に取りこぼすことなく6-0 6-0で勝利を決めた。ここまで、第1試合で勝利を積み重ねてきた眞田は、「自分の役割は、必ず勝ってシングルス2本で終わらせること。プレッシャーはあるが、自分の世界ランキングを考えれば、(これからも試合を)落とさずに勝ち進めると思う」と自信を覗かせた。

 第2試合の国枝慎吾(ユニクロ)は、昨年11月のツアー最終戦・世界マスターズで連敗を喫した相手、世界2位のヨアキム・ジェラードと対戦した。前日の“復帰戦”よりも確実にチェアワークもよくなり、コートを駆け回る本来の姿を見せ始めた国枝は、その天敵に6-3 6-2の完勝だった。

 ただ、「昨日よりもスムーズにプレーでき、試合をコントロールできている感覚はあったが、ベースラインの中からのウィナーを増やす必要がある。攻撃したときの精度がよくないので、攻撃力をもう少し上げたい」と課題を口にした。

 これで準決勝進出を決めた日本は、昨年の優勝国・イギリスと対戦することになった。

 女子の部も、日本は決勝トーナメント進出を決めた。
 予選リーグ2戦目の相手はイギリスだったが、シングルス2の堂森佳南子(ケイアイスター不動産)が、ルーズ・エスペランザメリー(62位)に6-3 6-1で勝利。続く上地結衣(エイベックス)もルイーズ・ハントに6-1 6-1の完勝だった。

 26日に行われる準決勝の相手は、過去に上地が「要注意国」として名前を挙げた中国。予選リーグ突破後の会見で上地は「中国戦はかなりタフな試合になる」と警戒した。試合後の日本チームは、中国チームのダブルスの試合を観戦し、「ミスがすごく少ない印象がある」と話している。

「ダブルスをプレーしていた中国選手(ファン・フイミン/ジュ・ジェンジェン)がどういう動きをしているのか、どういう球が相手のチャンスボールになるのかを確認して、コーチと話し合いをした」と上地。パートナーの堂森も「中国戦はダブルスが鍵になる。上地選手とのダブルスでやるべき役割は決まっている。その仕事を果たして決勝進出したい」と語った。

 ジュニアの部は、日本とイギリスが対戦し、シングルスの清水克起(愛媛県立しげのぶ特別支援学校)と細井誠二郎(東京都立桐ヶ丘高校/67位)がともに敗れ、B組の4位となり、7~8位決定戦へ回った。ダブルスには、船水梓緒里/高野頌吾が初出場し、第1セットを3-6で落としたあと、第2セットを7-5で奪い、ファイナルセットへ。スーパータイブレークは[4-10]で落としたものの、大きな活躍を見せ、国際大会デビューを果たした。

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【試合方法】

 車いすテニス世界国別選手権は、各カテゴリーで予選リーグを戦い、その後、順位決定トーナメントを実施して順位を確定。シングルス2本、ダブルス1本を戦い、2勝以上したチームに1ポイントが与えられ、獲得ポイント数で順位を決定する。

 試合方式は、シングルス2→シングルス1→ダブルスの順に行う。また、男子(1、2部)と女子のリーグ戦は、それぞれ3ヵ国ずつの4リーグ。クアード、ジュニアは4ヵ国ずつの2リーグに分かれて試合を行う。

(テニスマガジン/ライター◎酒井朋子、構成◎編集部)

最終更新:5月26日(木)13時23分

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