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【コラム】MAN WITH A MISSIONが、世界ツアーで己に課した使命とは?

RO69(アールオーロック) 5月27日(金)18時10分配信

延期・振替となっていた福岡・熊本・鹿児島公演の日程が9月に決まったところで(詳細ニュースはこちら→http://ro69.jp/news/detail/143516)、ジャン・ケン・ジョニーが「九州ノ3公演ガ終ワルマデ、コノツアーハ終ワリマセン!」と語っていた「The World’s On Fire TOUR 2016」について、あらためて考えてみたい。新木場スタジオコーストのライブレポートも書かせて貰ったのだけれど、いろいろ書き足りないことがあるのだ。

まず、アルバム『The World’s On Fire』とはどういう作品だったのか、という部分から振り返ってみよう。前作『Tales of Purefly』はファンタジックなストーリーブック付きのコンセプチュアルな作品になり、「使命を持つ男たち」の使命を解き明かす(と同時に、フォーキーで豊かなサウンドを響かせるMWAMの一面も、物語の風景とうまくはまっていた)と、オオカミたちはリクエストツアーや5周年ツアーでそれまでのキャリアを総括する。また、2014年の大掛かりな北米横断ツアー、2015年に2本の欧州ツアーを繰り広げ、その間には映画やアニメ、TVCMなど大型タイアップを含む濃厚なシングル群を次々に放ってきた。

で、『The World’s On Fire』はそのシングル群を網羅するアルバムとなったわけだが、それだけではなかった。ゼブラヘッドと共作した“Out of Control”をはじめ、海外プロデューサーたち(マス志向の音楽プロデューサーというよりも、それぞれがバンドマンでありライブハウスの生々しい息遣いを大切にしている人たちだ)と楽曲を共作し、ロック×ダンスミュージックのハイブリッドサウンドを控え、より直情的なロックサウンドに熱いメッセージを乗せた。ライブに渦巻くエネルギーは、MWAM史上最もロックなアタック感を備えるものとなった。

僕は新木場スタジオコースト2日目にようやく今回のツアーを観ることが出来たのだが、冒頭2曲であっという間に、ツアーの意図を汲み取ることができた。世界中のライブハウスで受け継がれ、積み重ねられ、染み付いてきた無数の思いを解き放ち、今を生きる力とすること。MWAMは、ライブハウスを中心にスケジュールされた「The World’s On Fire TOUR 2016」で、それを伝えてきた。世界中の人に触れてもらうとか、売れるとか、それだけではない。世界から日本のライブハウスへ、思いやエネルギーをフィードバックするということ。それこそが、MWAMの世界進出だったのである。

なぜ、九州の3公演が終わるまでこのツアーが終わらないのか。言うまでもなく、その地域は今こそ、反骨的なエネルギーや、追い詰められてなお燃え上がる夢が、必要とされている場所だからだ。MWAMは、本当に凄いロックバンドである。(小池宏和)

RO69(アールオーロック)

最終更新:5月27日(金)19時52分

RO69(アールオーロック)