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原爆から71年後の鎮魂 アメリカ大統領は広島とどう向き合ったか

BuzzFeed Japan 5月28日(土)0時43分配信

広島を青空が覆った。71年前のあの日と同じように。2016年5月27日、現職のアメリカ大統領が初めて被爆地・広島を訪問した。【古田大輔、石戸諭 / BuzzFeed Japan】

2日間の伊勢志摩サミットを終えたオバマ大統領は、専用機で山口県の岩国基地経由に向かい、そこからヘリ、さらに大統領専用車に乗り換え、午後5時24分、広島市中心部の平和記念公園に到着した。

爆心地に近いこの場所は71年前、完全な荒野と化した。

史上初めて、人類が生きながら核の火に焼かれた。広島市の推計では、1945年末までに、約14万人が死亡した。

その後も、放射線による白血病など「原爆症」に苦しむ人は絶えず、平和記念公園の慰霊碑に納められる「原爆死没者名簿」の記載数は毎年増え、現在は29万7684人となっている。

会場には、被爆者たちもいた。年々高齢化が進み、平均年齢は80歳を超えている。招かれた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員・坪井直さんは91歳、歴史家の森重昭さんは79歳だ。

20歳の時に爆心地から1.5キロの地点で被爆し、大やけどを負いながら生き延びた坪井さんは、緊張で顔がこわばっているように見える。くちびるをなめ、肩を揺らす。

オバマ大統領は、安倍首相と並んでアーチ型の慰霊碑の前に立った。碑には、こう記されている。「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」

オバマ大統領はその碑に花を手向け、黙とうをささげた。10秒が経ち、目を開けてからも、少し俯いたままで後ろに下がった。

献花台の奥には慰霊碑、その奥には原爆の悲惨さの象徴である原爆ドームが見えたはずだ。しかし、硬い表情のままのオバマ大統領からは、心の動きは読み取れない。

次に、安倍首相。献花の後、慰霊碑に静かに頭を垂れた。そして、向き合って握手をすると、振り返って列席者のそばに設けられた演台に向かった。

先にスピーチを始めたのは、オバマ大統領だった。

慰霊碑と「平和の灯」、原爆ドームを背に、朗々とした声が響く。同時通訳のイヤホンをつけた列席者たちは、静かに聞き入る。原爆を落とした国の大統領の言葉。被爆者たちが71年間、待ち望んだ瞬間だ。

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最終更新:5月28日(土)0時43分

BuzzFeed Japan

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