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運命は神のみぞ知る? 『神様メール』と『素敵なサプライズ』から学ぶ、ままならない人生の乗りこなし方

dmenu映画 5月28日(土)12時0分配信

普段どんなにポジティヴな人だって、「はぁ…、なんで自分ばっかりこんなにヒドい目に遭うんだろう」って溜め息をつきたくなること、たまにはありますよね? でも大丈夫。そんなままならない人生を乗り切るためのヒントをくれる、一風変わったコメディ映画を2本ご紹介します。

運命だと思ったら、イジワルな神様の憂さ晴らし?

まず、1本目にご紹介するのは、ジャコ・ヴァン・ドルマン監督の最新作『神様メール』です。
あなたが「神様」と聞いて思い浮かべるのは、どんな人物ですか? 実は、神様はベルギーのブリュッセルに女神と反抗期の娘と一緒に住んでいて、憂さ晴らしにパソコンであなたの運命を適当に操っている超イヤな奴…だったとしたら、思わず「え?! 何ソレ?」って目を疑いますよね。

3LDKのアパートに閉じ込められている10才の娘エアが、あまりに理不尽な父親(神様)に反発して、世界中の人びとに余命を知らせるメールを神様のパソコンから送ったことから、この物語はスタートします。洗濯機を通じて下界に降りてきたエアは、間抜けな神様に邪魔されながら、余命宣告でパニックに陥る人びとを救おうと大奮闘。

裕福なのに満たされない主婦(なんと演じるのはフランスが誇る大女優のカトリーヌ・ドヌーヴ!)が、ダンディなゴリラと恋に落ちたり、冴えない会社員が鳥を追って北極まで冒険の旅に出たり…。荒唐無稽でありながら、自らの人生を切り開いていく彼らの姿がじわじわと胸に迫ります。

そして、「恐れないで好きなことをやろうよ。罰はないのだから」という、エアの台詞に込められたドルマル監督のメッセージは、ちょっと天然な女神のファンタジックな魔法とともに、観客の元に降り注がれるのです。

人生の終わりは、解約不可能、成功率100%のサプライズ?

続いて、2本目に紹介するのが、マイク・ファンディム監督の『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』です。

自殺願望のある大富豪のヤーコブは、母を看取ったのち、偶然知った謎の会社を訪ねます。そこは、葬儀屋一家が裏稼業として営む自殺幇助の代理店。いつどこで「旅立つ」かはお任せ、というコースを申し込んだヤーコブは、解約不可で成功率100%の「サプライズ」を待ち受ける……。

そんな一見なんともブラックな設定ではあるのですが、でもこれ、自分自身ではコントロールできない、という人生の醍醐味を、より一層際立たせるための装置として見事に機能しているんです。

この2作品を通じて見えてくるのが、「いつ終わりがくるのか?」と意識し始めた途端、人生は輝きだすということ。運命なんて、気紛れで意地悪な神様や、暗殺者によって操られているのだと思えたら、きっといまより、少しは楽に生きられるはず。

「いざ自分の意思で動いてみたら、もうちょっと続きが気になってきた」。そんな人生の生き伸び方があってもいいんじゃない? と、軽やかな笑いとともに教えてくれる映画です。

『神様メール』:5月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー
『素敵なサプライズ』:5月28日(土)、全国順次公開

(映画ライター・渡邊玲子@HEW)

最終更新:5月28日(土)12時0分

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