ここから本文です

オバマ氏「勇気持とう」 「大きな転機になる」 滞在50分、評価相次ぐ 千葉県内被爆者の声

千葉日報オンライン 5月28日(土)10時35分配信

 原爆投下から70年余りを経て、米国の現職大統領がヒロシマの地に立った。慰霊碑に献花したオバマ氏は、平和記念公園で「『核兵器なき世界』を追求する勇気を持とう」と誓い、固い握手を交わした被爆者も平和な世界の実現を訴えた。遠く千葉の地で“言葉”を聞いた広島、長崎の被爆者は、その心に喜び、共感しながら、複雑な思いも。約50分の歴史的訪問が願いをかなえる一歩となるのか。

 「今日という1日が、きっと核廃絶の大きな転機になるはず」

 県内の被爆者団体「友愛会」(千葉市稲毛区)の上野博之事務局次長(77)=勝浦市=は、オバマ大統領の献花と所感の中継を見つめながら、万感の思いを語った。

 71年前の夏。広島に投下された原子爆弾は、ふるさとを一瞬で焼き尽くした。当時6歳。爆心地から10キロ以上離れた農村に疎開していたため直接の被爆は免れたが、山の向こうに見た巨大なキノコ雲の姿は、今も脳裏に焼き付いている。

 原爆投下から3日後、行方の分からない父を探しに、家族で変わり果てた街を歩き回ったことで「二次被爆者」に。終戦後、母は原爆症とみられる症状で亡くなり、弟もがんを発症してこの世を去った。「原爆でたくさんの人が亡くなった。生かされた私の使命は、核の恐ろしさを語り継ぐこと」と力を込める。

 「被爆者が望んでいるのは謝罪ではなく、核兵器の廃絶」だという。「世界の戦争の歴史や、紛争にまみれた今の時代を踏まえた素晴らしい内容だった」とオバマ大統領の言葉を評価する。

 「この世界は、核を持ちたい人ばかりではない。核保有国の指導者は広島と長崎を訪問し、オバマ大統領の後に続いてほしい」と言葉を振り絞った。

 オバマ大統領のメッセージを聞き「涙が出た」と話すのは、ボランティアで被爆体験の語り部活動に取り組む八千代市米本の元幼稚園教諭、小谷孝子さん(77)。

 小谷さんは6歳の時、広島市内の自宅で被爆。爆風で家の壁が壊れ、倒れた柱と壁の隙間にいたところを母親に助け出され、小谷さんはかすり傷で済んだ。兄姉弟は屋外におり、当時4歳の弟は4日後に全身やけどで死亡した。

 小谷さんは「一言一言に、誠意と被爆者や犠牲者に対する温かいものを感じた。広島を見て、核兵器の無い平和の大切さを感じ、それを伝えていってくれるだろう」と期待を込めた。

最終更新:5月28日(土)10時35分

千葉日報オンライン