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シカ誘導柵設置合意、石川県と福井県 協議2年、個体数減目指す

北國新聞社 5月28日(土)3時2分配信

 農林業被害を及ぼすニホンジカを捕らえるため、石川県が福井県境で計画していた誘導・捕獲柵の設置が27日、決まった。「柵でシカがはね返される」として福井の住民らが反対していたが、石川、福井両県が一致結束してシカの個体数減少に取り組むことで合意し、地元が了承した。県境を挟んで2年にわたって協議してきた問題がようやく決着した。

 27日夜、あわら市内で開催された金津東部地区鳥獣害対策協議会の席上、柵の設置を含むシカ対策が了承された。関係者によると、協議会の代表者は石川県と福井県が連携して対策を進めることになったことを評価したという。質疑応答では5、6人が発言したが、反対の声は出ず、会議は約1時間で終了した。

 計画では、石川県は6月にも、県境より500~1500メートル加賀市側の林道沿い3カ所に柵を設ける。総延長は5キロで、柵には檻(おり)を取り付け、シカを捕らえる。檻の数は12個になり、県は捕獲状況を見ながら数と設置場所を変更する。

 周辺には監視カメラも置き、福井県とともに専門家の意見を聞きながら、誘導・捕獲策の効果を検証していく。福井県側は地元協議会が進める「くくりわな」や「はこわな」の整備、更新の支援などで、被害防止対策を強化する。

 石川県は2014年6月、シカの「越境」を防ぐため、県境に金網柵の設置を計画した。当初は県境24キロを封鎖する方針だったが、「シカがとどまり、被害が拡大する」「納得できない」と福井側から反発の声が上がり、石川県は計画を修正した。柵にわなを取り付けるなど、取り組みの目的が侵入防止でなく、捕獲にある点を強調し、福井県側と調整を進めてきた。

 両県の担当者レベルの打ち合わせは十数回に及んだ。石川県の森林管理課担当者は「福井県側の理解を得ることができ、ほっとした。被害防止には何よりも数を減らすことが重要であり、情報をしっかり共有し、効果的に取り組みを進めたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:5月28日(土)3時2分

北國新聞社