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高配当銘柄のワナ 「買うべきではない」株の特徴とは?

ZUU online 5月29日(日)9時50分配信

企業は株主に対して、値上がり益や配当と言った形で事業の成果を還元する。その中でも配当を重視し、投資家からの資金に対してより多くの配当を出している企業を一般に高配当銘柄という。

高配当銘柄は投資先のジャンルとしては非常に人気の高いものであり、雑誌等でもよく特集が組まれている。ウェブツールで配当利回りランキングのスクリーニングをかけると配当の利回りが高い、つまり投資金額に対するリターンの大きな企業のランキングが一発で出てくることだろう。

しかし、高配当銘柄への投資は利回りを確認することだけでは不十分であり、他にも確認すべきことがいくつかあるのだ。今回は、高配当銘柄への投資をより成功に導くために知っておいた方が良い知識をご紹介するが、まずは利回りの基本を確認することから始めよう。

■「利回り」の考え方のキホン

利回りとは、投資した金額に対する収益(リターン)の割合を指す。

例えば、ある企業の株を100万円で購入した場合に、その企業が年間で3万円分の配当金を出しているのであれば、利回りは3万円÷100万円×100で3%ということになる。なお絶対的な基準はないが一般に3%の利回りは高めな方だといえる。

この配当利回りが高い企業を「高配当銘柄」というのだが、高配当であればどれでもよいかといえばそんなことはない。確認しておくべき情報がいくつかあるのだ。

■買っても良い高配当銘柄は「業績の良い企業」

高配当銘柄の中で買ってもよいものは単純に言えば「業績の良い企業」である。業績予想を上方修正させたり、それにともない増配を行う企業を選ぶ方が良い。

基本的に業績が好調な企業の株価は投資家から買いを集めて上昇する傾向があり、株価が上がればその分だけ利回りは低下する。

しかし、業績拡大に伴い配当を増やす企業であれば株価の上昇があっても利回りは高いままである場合が多い。たとえば、ミクシィ<2121>は人気ゲームのヒットにより業績を大幅に拡大させ株価が大幅上昇した。本来であれば利回りも低下するはずだが、ミクシィは大幅に増配を行っているためいまだ配当利回りは3%を超える。買うべき高配当銘柄とはこのように業績拡大・増配により「株価は上がっているのに高利回りを維持している企業」だと言える。

■買うべきではない高配当銘柄とは

配当利回りのランキング上位の銘柄でも買ってはいけない銘柄がある。それは「株価が下がっている」ことが原因で利回りが高くなっている銘柄だ。

一般的には企業内にあるなんらかの悪材料(業績悪化や事業提携の解消など)がある場合には株価はそれを織り込みながら下がっていく。それにもかかわらず以前と同様の配当金を支払い続ける場合、利回りはどんどん高くなっていく。

例えば、ある企業の株価が1000円の時に配当金が50円だったなら利回りは5%。その企業の株価が業績悪化を発表して半年で株価が500円になった場合でも配当を50円出し続けているなら利回りは10%になる。表面上は非常に高利回りになっているように見えるが、将来的にはリターンは低くなる可能性が高い。なぜなら、業績悪化などの悪材料に伴い配当を減らしたり、無配当にすることがあるからだ。

そのため高配当利回りの銘柄を探す際には、必ず業績のチェックや過去の株価の推移を確認する必要があるのだ。

■賢い投資家になるためのもう一歩 「実質利回り」に注目

さらに利回りには配当利回りと実質利回りの2種類があることを知っておくべきだ。賢い投資家は後者の実質利回りを重要視する。

実質利回りとは配当利回りに、株主優待の価値を加えた利回りの事をいう。株主優待は「3000円の食事券」や「入場料1回無料」など金額換算できるものもあれば、「お買い物時30%割引券」などのように使い方によって優待価値が変わるものもある。

例えば、ある企業の10万円の家具を定価で買うより30%引きの優待割引券を使用して7万円で買う方がお得なことは言うまでもない。この場合、割引分の価値が配当利回りに上乗せされることになる。

株主優待を実施している企業は多く、配当利回りと優待の利回りを合わせると、年間10%を超えるものも数多くあるのだ。業績の良い高配当&好優待銘柄を仕込みたいものである。

■高配当利回り銘柄はここに注目 3つのポイント

まとめてみよう。高配当利回り銘柄はそのまま買いというのは実は損失への近道であり、高配当銘柄への投資で成功するためには、最低でも以下の項目をチェックする必要がある。

1.業績は安定的もしくは上振れしているか(上振れしていて増配傾向が最も良い)
2.株価の推移は安定的かどうか(株価が下がっているがゆえに高利回りなのは除外する)
3.優待利回りなどを含めた実質利回りは高いかどうか(優待を合わせると非常に利回りが高い銘柄がいくつもある

以上を認識した上で高配当利回り銘柄への投資を成功へと近づけていただきたい。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。2級ファイナンシャルプランナー。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。ネットマネーや日経マネーと言った経済雑誌での執筆活動も行う。個人ブログ「インカムライフ.com」を運営。http://income-life.jimdo.com/

最終更新:5月29日(日)9時50分

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