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ドローンが「空の産業革命」と称される理由

ZUU online 5月29日(日)17時10分配信

2015年4月、首相官邸の屋上にドローンが落下し、その5月には、三社祭りでドローンを飛ばすと予告し少年が逮捕された。

このように人騒がせな事件で注目を集めるようになったドローンだが、日本では規制する法律は、その時点ではまだなかった。

しかしAmazonがドローンで宅配をする実験を進めているという情報が紹介されるや、ビジネス面で注目を浴びるようになった。これに反応した安倍政権は「ロボット革命実現会議」を設置。12月には千葉市をドローン特区にしたのだ。日本でも宅配やインフラ管理などの産業利用につなげる取り組みが活発になってきた。

■今後ますます広がる用途

ドローンは、ラジコンヘリの延長で操縦者が操縦して飛行させるものと、GPSや電子コンパスによって自動飛行するものがある。空撮、農薬散布、商品の宅配、そして災害現場での観測や測量といった目的での使用が進んでいる。

ドローンの技術振興や産業発展のために活動する日本UAS産業振興協議会の鈴木真二理事長(東京大学工学部教授)は、今まで使っていなかった空域を使うという意味では産業革命に値すると指摘している。飛行機は300メートル以上の空域を飛んでいるが、それ以下の空域を活用できることで、大きな可能性があると言うのだ。

ドローンが米国などで「空の産業革命」などと呼ばれているゆえんでもある。

ようやく日本も昨年、法律が整備され、本格的に活用できるようになり、2015年は日本のドローン元年であり、今年は産業用ドローンが本格的に動き出すことになったのだ。

■ドローンの最先端研究国はどこか

ドローンブームに火をつけたのは、米国でも日本でもなくフランスのパロット社とされている。ARドローンをiPadで操作できる玩具として発売したのがきっかけだ。その後、中国製で空撮ドローンが作られ、映像された映像が、YouTubeなどで投稿され人気に拍車がかかった。

ドローン研究で最先端をいくのは、米国、フランス、そして中国だが、日本の精密機器も使われているのだ。

精密機器は日本にとっても非常に重要な産業。しかしドローンに関しては、これまでは法律も整備されていなかったことから、大企業があまり関心を示していなかった。

しかし昨年末に法整備されたことで、合法的に飛ばせるようになり、大手企業も本格的に参入するのではと期待される。日本でも楽天やヤマト運輸がドローン宅配事業を検討しているとされる。

■農業などでも利用が期待されているか

価格も安く軽量なドローンは、誰でも手軽に飛ばすことができる。飛行機やヘリコプターとは違う原理で飛ぶドローンは、マルチコプターというプロペラが複数付いているので、ガソリンを入れてエンジンを動かす必要がなく、うるさい音と煙が出る心配がない。リチウム電池の登場で、充電してスイッチを入れれば、誰にでも簡単に使える。

ドローンの弱点は風に弱いことだ。嵐などでは当然、活躍できない。

だがカメラを使ったドローンは工場やトンネル、鉄道、橋、ダムなどのインフラ点検での活用や、災害後に人が閉じ込められ、人が入って行けない所に物資を届けるといった使い方もできる。

報道では災害の状況把握に使われ、結婚式の写真も3次元的な映像ができるし、たとえばオリンピックのスキー競技をドローンで撮影することも可能だ。

より身近な話としては、学校などでは卒業写真を空撮で撮影しているところもある。人手が不足している農業では、例えば狭い農地でも効率的に農薬散布ができるし、農作物の生育状況を監視することも簡単にできるようになる。

規制については、人口集中地域として、4000人以上(一平方キロメートルあたり)の地域では飛ばすことができない(また200グラム以下のドローンは規制の対象外)。

私有地であってもその対象になる。高度150メートル以下で、人や建物に近づけない。違反すると罰金が課される。ちなみに、東京都では西の山間部以外はすべて該当する。

気になるのは、どれくらいの経済波及効果があるかだ。専門家に言わせれば、空撮などで使われるようになると、数百億円規模になると言われているが、果たしてどこまで伸びていくのだろうか。(ZUU online 編集部)

最終更新:5月29日(日)17時10分

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