ここから本文です

グンゼが120周年記念で創業者の社宅を移築し休憩所に

両丹日日新聞 5月29日(日)8時0分配信

 京都府綾部市で創業し、現在も登記簿上の本店を綾部市青野町に置くグンゼが、創立120周年を記念して綾部本社に隣接する「あやべグンゼスクエア」に、創業者の波多野鶴吉翁が住んでいた社宅を移築した。茶室や休憩スペースとして一般公開している。

 グンゼスクエアは、資料館のグンゼ博物苑(入館無料)、市民のバラ園、地元の特産品販売と観光情報を提供する市施設「あやべ特産館」があり、連日にぎわっている。移築した社宅は、ここを訪れた人たちに休憩所として使ってもらえる。

 グンゼは明治29年(1896)に何鹿郡、現在の綾部市の蚕糸業振興と、地域社会への貢献を理念として「郡是製絲」の名で誕生した。

 創業者の波多野翁は「善い人が良い糸をつくる」「心が清ければ光沢の良い糸ができる」との信念から従業員教育に力を入れ、社内に郡是女学校を設け、女子工員らに裁縫などの授業や礼儀作法の指導を行った。

 自身はぜいたくをせず、工場敷地内に従業員たちと一緒に住み、竹ぼうきを手に率先して庭や通路を掃除する姿が見られたという。

 この波多野翁が暮らした明治44年築の社宅の一部を、綾部本社敷地から道路を挟んで向かいの、グンゼスクエアに移築。歴史的遺産の継承と地域貢献を目的とした事業で、「道光庵」として21日から開放した。

 和室と洋室、庭があり、洋室は綾部本社にあった調度品などを使って休憩スペースに改装していて、だれでも利用できる。和室は波多野翁が大切にした言葉をとって「至誠の間」と呼び、翁自筆の掛け軸を飾った。お茶会などに利用でき、予約を受けて貸し出す。庭は翁の人生を表現した造りになっているといい、梅や桜を植栽し、グンゼにゆかりの深い繭をモチーフにした踏み石や盆栽などを配している。

 開館は原則として木、金、土曜日の午前11時から午後4時まで。

 120周年記念事業としては、グンゼ博物苑のうち創業蔵をリニューアルし、日本の近代史とともにグンゼの歴史を紹介する作りにした。博物苑の残り2蔵も11月にリニューアルする予定。

 このほかスクエア横の大正12年(1923)築の建物を歴史資料館として整備した。蚕種研究をする蚕事所の本館事務所として建設された鉄筋コンクリート2階建ての施設で、近年は緑化事業の綾部事務所として使っていた。

 資料館内には陶器や絵画など約600点、蚕糸道具など約400点、過去の会議資料や書籍、アルバム、CM映像など計約1800点の資料を収めた。産業史や蚕関係の調査・研究などに使ってもらうことにしている。

両丹日日新聞社

最終更新:5月29日(日)8時0分

両丹日日新聞