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首都圏高速新料金、早くも出た効果 しかし夏に待つ大きな「懸念」

乗りものニュース 5月29日(日)10時30分配信

C2中央環状線のボトルネックにも効果が

 2016年4月1日に始まった、首都圏の高速道路における新たな料金体系。国土交通省が5月20日(金)、その導入後1か月の効果を発表しました。みっつ挙げられたその主な効果を、筆者(首都高研究家:清水草一)の独断で解説してみたいと思います。

●効果その1
都心通過から外側の環状道路へ交通が転換し、首都高速の渋滞が緩和
都心通過交通は約1割減(最大で約5割減)
→首都高速の交通量は約1%減、渋滞損失時間は約1割減

 新料金制度の狙い通り、首都高の交通が一部外側へ迂回しました。減った交通量(走行台数×走行距離)はわずか1%ですが、これによって渋滞は9%減少。首都高のように渋滞が常態化している道路では、交通量が1%減るごとに、渋滞は約10%減ります。

 今回のような制度改定は周知に時間がかかるものですが、導入1カ月で早くも目に見える効果が現れたのは、コストに敏感な運送業者が素早く対応したからだと推測されます。

 私は新料金の導入開始直後、テレビとラジオで「新料金で減る首都高の交通量はせいぜい2~3%。ただしこれで渋滞は20~30%減る」と予想しました。今後、一般ドライバーの迂回が増加すれば、長期的にはそれくらいの効果が出てくるのではないでしょうか。

 なお、国交省発表の「最大で5割減」というのは、東名~東北道間の都心通過台数で、それが5400台/日から2700台/日に減ったことを指しています。そしてこれによって、首都高C2中央環状線のボトルネックである板橋~熊野町間の交通量も同数程度、減ったと推測できます。これは、同区間の交通量(約15万台/日)の1.8%に相当。よってその区間に限っては、2割程度の渋滞緩和効果があったと考えられます。

一般道にも効果 しかし懸念は圏央道?

●効果その2
首都高速の短距離利用増加で、一般道が円滑化
短距離利用が約1~4%増
→港区青山付近で首都高速の交通量は約2%増、並行一般道で約7%減

 首都高の料金は、長距離は値上げされましたが、短距離は値下げされたため、早くも短距離利用が増え、一般道の渋滞緩和に効果が現れると同時に、長距離利用が減りました。首都高の交通量(走行台数×走行距離)減少には、この利用距離の短縮も貢献したはずで、この流れも徐々に拡大していくでしょう。実際のところ300円から400円台の短距離利用は、以前に比べてぐっとお得感があります。

●効果その3
ネットワーク整備進展と料金水準引下げで、圏央道利用が促進
圏央道の交通量が約3割増(東北道と連絡後でも約5~8%増)
→圏央道沿線の物流施設の新規立地が約4.6倍に増加

 首都高の交通量が減った分は、値下げされた圏央道が担ったため、交通量が増えました。5~8%というのは具体的には2700台/日前後で、首都高C2中央環状線の板橋~熊野町間における減少分とほぼ同数です。

 圏央道の交通量は、今後も少しずつ増加するでしょう。となると懸念されるのは、圏央道の渋滞です。

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最終更新:5月30日(月)12時34分

乗りものニュース

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