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社説[県議選]県政への「中間評価」に

沖縄タイムス 5月30日(月)5時0分配信

 県議会議員選挙は、投開票日まで1週間を切った。無投票となった名護市区を除く12選挙区で、69人が46の議席を争う激しい選挙戦が繰り広げられている。
 新基地建設反対を貫き、政府と対峙する翁長雄志知事の「中間評価」の性格を帯びる今度の県議選は、知事を支える与党が過半数を維持できるかが最大の焦点だ。選挙結果は沖縄が進む方向に極めて大きな影響を与える。
 ともすれば政党や労働団体、地縁や血縁に頼り、政策が後回しにされがちな県議選。しかし今回ほど重要な政治課題が山積する選挙はない。
 ヤマ場に差し掛かる辺野古の基地建設問題もその一つ。
 本紙が実施したアンケートで辺野古を含む課題について、考えを明確にせず「その他」「どちらとも言えない」と答えた人が多かったのは寂しい限りだ。議会では議案の議決、意見書・決議の提出で常に意思を示すことが求められる。あいまいな態度で選挙に臨むのではなく、有権者に判断材料を示してもらいたい。
 元米海兵隊員による女性遺体遺棄事件を受けて、その対応も争点に浮上している。
 事件への憤りは各政党が共有するが、県議会で自民会派が退席した中で「海兵隊撤退」を含む抗議決議が可決されたことからも分かるように、問題への向き合い方は一様ではない。
 どうすれば事件がなくなるのか、女性の人権を守るために何が必要なのか。沖縄の意思決定に当たる代表を選ぶ選挙だからこそ、具体的な政策論争を展開してほしい。
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 一地方議会の選挙にもかかわらず、自民党本部が「重要な選挙」と力を入れているのは、県議選の持つ意味の大きさを示している。
 結果は7月に予定されている参院選に影響し、参院選しだいでは安倍晋三首相が悲願とする憲法改正へとつながるからだ。
 憲法改正まで広く見据えた判断が求められる選挙であることを心に留めておきたい。
 もちろん地域には地域の事情があり、身近な暮らしの問題も大きなテーマだ。
 立候補者の多くが訴える子どもの貧困対策は待ったなしの課題。都市部では深刻化する待機児童問題、農村部では環太平洋連携協定(TPP)などへの関心が高い。宮古や八重山では自衛隊配備の問題が重要な論点となっている。
 今回の県議選は、地域固有の課題と、国政の行方をも左右する問題の両方が問われる「2層構造」の選挙である。
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 定数11に対し18人が立候補する「那覇市・南部離島区」は、議席全体を左右する激戦区。選管の掲示板には候補者ポスターが張られているものの「知らない人ばかり」という有権者も多いのではないか。
 名の売れた国会議員などと違い、県議選立候補者と有権者の接点は案外薄い。 
 政治家にとって大切なのは政策である。本紙と早稲田大学マニフェスト研究所が立ち上げたサイト「マニフェストスイッチ沖縄県議選」は参考になると思う。選挙公報などと合わせ、政策の比較や検証に役立ててほしい。

最終更新:5月30日(月)18時4分

沖縄タイムス