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15年に最も引用された特許を持つのは産総研

エコノミックニュース 5月30日(月)6時59分配信

 パテント・リザルトは、大学・研究機関を対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を機関別に集計した「大学・研究機関 他社牽制力ランキング2015」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な機関が明らかになるという。

 集計の結果、2015年に最も引用された機関は、産業技術総合研究所の1,255件、次いで科学技術振興機構の572件、東北大学の276件となった。以下、東京大学の247件、UNIVERSITY OF CALIFORNIAの208件、東京工業大学の206件、理化学研究所の201件、物質・材料研究機構の199件、鉄道総合技術研究所の195件、京都大学の192と続く。

 1位の産業技術総合研究所の最も引用された特許は、デンソーとの共同保有となっている「圧電体薄膜」に関する特許(特許第5190841号)で、後発の特許8件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別には村田製作所の5件、太陽誘電の3件となっている。このほかにはIDXとの共同保有である「マイクロ波加熱装置」(特許第4759668号)や、オルガノとの共同保有である「流体供給システム」に関する特許(特許第5013567号)などが引用された件数の多い特許として挙げられるとしている。

 2015年に、産業技術総合研究所の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友電気工業の20件となっており、リチウムイオン二次電池関連の特許が多く見られる。以降は、トヨタ自動車、ソニー、コニカミノルタと続いている。

 2位科学技術振興機構の最も引用された特許は、3年連続で、東京工業大学の細野秀雄教授らの発明による「薄膜トランジスタ及びその製造方法(特許第4620046号)」となり、後発の特許16件の審査過程で拒絶理由として引用されている。企業別には半導体エネルギー研究所の15件、シャープの1件となっている。この科学技術振興機構の特許は、PCT国際出願から移行されており、日本以外にも米国や、欧州(ドイツ、フランス、イギリス)、中国、韓国、台湾においても特許を取得している。引用された特許を分野別にみると、遺伝子工学や、生物学的材料の調査・分析などに関する技術が多く引用されている。

 3位東北大学の最も引用された特許は、「トランジスタ」に関する特許(特許第3276930号)および、昨年に引き続き、セイコーエプソンとの共同保有である「ウォータージェットメス」に関する特許(特許第5082049号)の2件で、それぞれ後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されている。2015年に、東北大学の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は半導体エネルギー研究所の14件となっており、セイコーエプソンの9件、ソニー、東芝、トヨタ自動車の各7件と続いているとしている。(編集担当:慶尾六郎)

Economic News

最終更新:5月30日(月)6時59分

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