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台湾版「一杯のかけそば」から10年 長男「みんな元気です」

中央社フォーカス台湾 5月30日(月)18時50分配信

(南投 30日 中央社)1杯のめんをきょうだいと分け合って食べ、残ったワンタンを病床の母親にあげると話す健気な子供たちの姿が台湾社会で感動を呼び、日本でも「台湾版一杯のかけそば」として話題になってから今年で10年が過ぎた。長男の魏冠宇さんと長女の魏雪テイさんは現在軍人として独立。「きょうだいみんな元気です」と現況を報告している。(テイ=女へんに亭)

南投県竹山鎮で暮らしていた魏さん一家は夫婦と4男1女の7人家族。生活保護を受けながらも全員で力を合わせ前向きに暮らしていたが、妻の呉慧萍さんががんを患うと生活は一変。子供たちは食事を満足に食べるお金もない中、中山医学大学付属病院(台中市)に入院した呉さんのため、洗濯や入浴など、身の回りの世話に奮闘した。

ある日、子供たちを心配した病院関係者が屋台でワンタンめんを購入すると、5人のうち3人がめんだけを食べ、残りのワンタンを両親にあげるといって手をつけなかった。この出来事が2006年3月に報じられると、全台湾から多額の寄付金が寄せられたほか、当時の陳水扁総統が激励のため見舞いに訪れた。

呉さんはその後4月末に帰らぬ人となったが、子供たちは多くの支援を受けすくすくと成長。末っ子の4男はバスケットボールに励み、今では学校の代表選手として試合に参加することもあるという。

事情を知る飲食店では今でもきょうだいからお金を受け取ろうとしないところも。だが、冠宇さんはこう語る。「もう心配しないでください。幸せを祈ってくれるだけでいいです」。

(編集:齊藤啓介)

最終更新:5月30日(月)18時50分

中央社フォーカス台湾