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川下大洋オススメ、いま一番勢いのある劇団

Lmaga.jp 5月30日(月)14時0分配信

「MONO」、「ヨーロッパ企画」・・・、京都には明るく突き抜けた上質な会話エンタテインメント芝居を提供する劇団が揃っている。その中でも「THE ROB CARLTON」は、いま関西で最も勢いのある劇団だと言っていいと思う。ホテル経営者、スパイ、明治の貴族、クリエイティブディレクターといった我々の知らない世界にいる人たちが、ピンチに陥りそれを切り抜けるダイナミックなドラマを、リアルな会話で明るく見せ大小様々な笑いを与えてくれる。

次の時代を担う劇作家&強い個性のメンバー

そんな彼らの成功が作・演出家、村角(むらすみ)太洋の才能によるところであるのは間違いない。昨秋の公演に私自身出演した時に制作過程を間近に見てよくわかった。第一に脚本に隙がない。一言一句計算され、何気ないギャグも後の大きなドラマに強くリンクしている。そして稽古場ではほとんどダメ出しをしない演出。どうしてもこだわりたいポイントだけは強く主張する。しかし声を荒げることは決してない。そんなほったらかしの稽古場は逆に役者たちの自覚をうながし、一人一人の個性を強く残したまま、大きなグルーヴ感を生み出していく。

そして個性ある役者といえば、メンバーの村角ダイチと満腹満だ。ピンチに次ぐピンチに翻弄されるダイチのどこにもいそうでどこにもいない人間性、そしてそのピンチを信じられないくらい大きく強く加速する満腹の繊細なパワーが見どころだ。さらに彼らが招くゲスト出演者が毎回秀逸だ(私も含めて!笑)。常に当て書きで脚本を書くだけあってどの役もほかの誰にも置き換えられない個性と存在感を放っている。

おもてなしの精神で迎える舞台

彼等を大きく特徴づけるファクターが2つある。ひとつは劇団名からもわかる、ホテルのホスピタリティ、おもてなしの心だ。凝ったチケットにはなんとお客さん一人一人の名前が入る。チラシの束を入れるビニールの手提げバッグも劇団が提供する。そしてもうひとつ、彼ら自身の絆の基になっているのが次公演のテーマでもあるラグビーだ。「ブームになる前からラグビー推しだ」と自慢する彼らだが、初めて見る人にはどうでもいい情報かもしれない(彼らの大阪初公演であった前々作で「五郎丸」という重要な役があったことは、その芝居を見ていた私でさえ覚えていなかった!)。6月に「HEP HALL」(大阪市北区)で行われる舞台『COACHES OF OVAL』は、ラグビー部に在籍していた彼らだからこそ描ける、ラグビー競技場のコーチボックスで繰り広げられるライトコメディだ。とにかく観たら人に勧めたくなるし、見逃すと後々悔しい思いをするのは間違いない!

文/川下大洋(Piper)、写真/Toru Imanishi

最終更新:6月2日(木)9時11分

Lmaga.jp