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コーディネートから流行予測まで?人工知能でファッションを研究 シモセラ・エドガー

SENSORS 5月30日(月)17時0分配信

人工知能が小説を書いたり、絵画を描いたりと、近年ますます進化する人工知能。17世紀の画家、レンブラントの新作を人工知能が機械学習によって生み出したことも記憶に新しい。 早稲田大学で研究院助教を務める、シモセラ・エドガー氏が取り組んだのは人工知能による「ファッション性の研究」だ。人工知能がファッションに及ぼす可能性とは?そして海外から見た日本の人工知能研究、STEM人材についてお話を伺った。

人工知能によりファッションの最適な提案を

--エドガー先生が行われた「ファッション性の研究」とはどのような内容なのでしょうか?

エドガー:2015年に「ファッションにおける神経美学」という論文を発表しました。この中で目指したのはファッション性の知覚をモデル化することです。つまりユーザー自身の写真を人工知能に評価させ、ファッション性の高い・低いを、スコアとして表示できます。そしてどのアイテムを変更すればファッション性が高くなるかを推定することも可能にしました。
ファッション性を推定できるようになれば、世界各国のファッションの特性を浮かび上がらせることもできるようになります。

--「ファッション性」とは曖昧になりがちなものだと感じるのですが、どういった要素から構成されているのでしょうか?

エドガー:確かに真の意味でのファッション性というものはなかなか定義できません。そこで、利用したのが既存のファッション投稿サイトです。欧米では有名なchictopia.comというファッション投稿サイト上の約14万件のコーディネートを人工知能に学習させました。学習させる際、ファッション性の評価基準をサイト上のいいね!やコメントなどのコンバージョン数を一つの指針とすることでファッション性の判別を可能にしました。

--この研究では人工知能がWebサイトのコンバージョンからファッション性を評価しています。実世界の人間も、SNSなどから何らかのファッションの影響を受けていると考えられますか?

エドガー:人工知能と人間が全く同じ反応をするとは一概には言えないのですが、おそらくは関係があると感じております。
現行の研究ではインフルエンサーなど影響力のある方のコーディネートのファッション性が高く評価する傾向が出るなど、実世界にも当てはまる結果が出ています。一般ユーザーの不確定な情報を人工知能に学習させており、いわば“ノイズ“を多く含んでしまうため、人工知能にファッションの特徴抽出を可能にする論文を発表しました。現在は、顔の表情や、服のしわ、天候も認識し、そう言ったノイズを取り除いてファッション性を識別できるようになっています。
その結果、経済発展や収入レベル、GDPなどとファッション性は相関関係を持っており、年齢は若く、黒い服装がファッション性を押し上げるという結果が産出されています。実世界でも当てはまると考え、精度が向上しつつあります。

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最終更新:5月30日(月)17時0分

SENSORS