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日本刀トラブル、ウェブ肩書は大半詐称か 指摘後も修正せず

福井新聞ONLINE 5月30日(月)8時45分配信

 修理を依頼された日本刀を返却しなかったとして、業務上横領の疑いで福井市の男が逮捕された事件で、男が経営する刀剣類販売・修理業のホームページ(HP)に列挙している刀剣類に関する各種団体の「会員」や「審査員」といった肩書の大半は、男と無関係とみられることが29日、各団体への取材で分かった。

 男はHPを通じて客を募っていた。団体担当者の多くは詐称と指摘しており、肩書の列挙で全国の刀剣愛好家らの信用を得ていたとみられる。

 男は、福井署と県警捜査2課が18日に逮捕した福井市照手1丁目、刀剣類販売・修理会社「勝山剣光堂」代表取締役、勝山智充容疑者(47)。

 同容疑者は、HPの会社概要ページの関連団体の項目で▽日本刀文化振興協会正会員▽福井県教育委員会銃砲刀剣類登録審査員▽越前松平家指定職方▽福井市立郷土歴史博物館指定職方▽石川県立美術館指定職方―などを列挙している。「職方」は職人の意味。

 福井新聞が各団体に取材したところ、日本刀文化振興協会は「会員ではない。3年ほど前、記載を削除するよう依頼したことがあった」とし、福井県教委も「過去も現在も審査員ではない」と回答。越前松平家事務所や福井市立郷土歴史博物館は「(職人として)頼んだことも、関わり合いもない」、石川県立美術館は「全く関わりはなく、発注したこともない」と否定した。

 これらの肩書は、同容疑者の親族が持つものもある。この親族は電話取材に対し「約20年前から(同容疑者や店舗とは)関わりがない」としている。

 この事件をめぐっては、同容疑者が修理や委託販売名目で預かった日本刀を返却しないなどのトラブルが、少なくとも9都府県の刀剣愛好家との間で起きていることが関係者への取材で分かっている。肩書の詐称が被害拡大の一因となった可能性がある。

福井新聞社

最終更新:9月7日(水)9時16分

福井新聞ONLINE