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金家の「料理人」、5月30日に再訪朝へ

ニュースソクラ 5月30日(月)14時20分配信

北朝鮮、日本との対話で外交突破口狙う?

 北朝鮮の故金正日総書記の料理人だった藤本健二氏が、5月30日に訪朝する。複数の関係者が明らかにした。藤本氏は、4月半ばにも訪朝し、最高指導者の金正恩委員長と面会している。今回も面会する可能性がある。5月上旬に36年ぶりの朝鮮労働党の党大会を開いた北朝鮮は、核やミサイル問題をめぐり、孤立を深めており、日本に対話攻勢をかけてくると見られ、日韓両政府は、訪朝結果に注目している。

 藤本氏は、金正恩氏が幼い頃からの付き合いだった。2012年7月、平壌で正恩氏や妻らと再会した。さらに、北朝鮮側の招待を受けて、今年4月にも北京経由で平壌を訪れ、正恩氏や、妹の与正氏らと共に懇談した。

 この時、正恩氏は、「戦争をするつもりはない。米国が外交的に無理を言ってくるので、むかっとしてミサイルを発射する」などと藤本氏に語ったという。

 与正氏の肩書きについて、党の重要ポストで、大衆宣伝などを行う「宣伝扇動部」の副部長で、まだ結婚していない、との情報も明らかにした。韓国の情報機関は「与正氏はすでに結婚している」と発表していただけに、権力内部で確認した「藤本情報」の前に、メンツ丸つぶれとなった。

 さらに、藤本氏は、日朝間の懸案になっている日本人拉致被害者について、メディアのインタビューなどで、「5人ほどは生きているだろう」と答えた。

 5人がどんな人なのか、藤本氏の単なる推測なのかは不明だが、日本政府は一連の発言に関心を寄せている。

 北朝鮮側は、別のアプローチも試みている。5月上旬に開かれた党大会の取材のため、平壌を訪れた日本のメディアの記者たちと、日朝関係を担当する宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使が秘密里に懇談の場を設けた。

 出席者によれば、この席で宋氏は、日本人の拉致被害者らを再調査するため、2013年に設置された北朝鮮の調査委員会が「すでに解散した」と明らかにした。

 そして、「調査結果はもうまとまっている。日本側が対話に応じないのなら、一方的に発表することもあり得る」と語ったという。

 日本政府に対して、現在中断している日朝政府間協議を再開を促すメッセージだろう。

 党大会後、北朝鮮は韓国に対して、軍事当局間会談を開くよう再々求めている。緊張緩和を進めるのが名目だが、韓国側は「まず北朝鮮の非核化が先決」として、拒否している。

 このため、日本を対話のテーブルに誘おうとしているようだ。

 北朝鮮は過去4度の核実験を強行し、中国を含む国際社会から厳しい経済制裁を受けている。海外への労働者派遣や、国内の地下資源の売却といった外貨稼ぎに支障が出ているという。

 このため、いったん5回目の核実験は控え、日本や韓国を通じて、突破口を探っているようだ。

 ただ日本政府は、「日本だけが対話に応じるわけにはいかない」(外交当局者)としており、藤本氏らの動きについては、当面静観する姿勢だ。

■五味洋治 ジャーナリスト
1958年7月26日生まれ。長野県茅野市出身。実家は、標高700メートルの場所にある。現在は埼玉県さいたま市在住。早大卒業後、新聞社から韓国と中国に派遣され、万年情報不足の北朝鮮情勢の取材にのめりこんだ。2012年には、北朝鮮の故金正日総書記の長男正男氏とのインタビューやメールをまとめて本にしたが、現在は連絡が途絶えている。最近は、中国、台湾、香港と関心を広げ、現地にたびたび足を運んでいる。

五味 洋治

最終更新:5月30日(月)14時20分

ニュースソクラ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。