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気をつけて。「フランスが週末に仕事のメールを禁止した」ってニュースはウソ

BuzzFeed Japan 5月30日(月)18時3分配信

勤務時間後の業務メールの返信を禁ずる法案が通過していたというニュースが先週、海外や国内メディアで報じられた。しかし本当のところは……?【BuzzFeed Japan】

自由、平等、博愛。個人主義の国、フランス。「上司から緊急のメールが来たけど、夜の7時2分だし、無視してワインを飲みながら社会主義の話でもしようか」というイメージがフランスにはある。 確かに、勤務時間後の業務メールの返信を禁ずる法案が通過していたとしても、不思議ではない。

少なくとも、幾つかの海外のメディアや日本メディアは、そう考えたようだ。

しかし……真実は「ノン!」。新しい法案など、一つも通過していない。さらに言えば、報道のきっかけとなった法案には、Eメールについての言及すらない。

この出来事の発端は、現在フランスの国民議会と上院で審議にかけられている労働法25条が誤解されたことにある。25条は「従業員が連絡を絶つ権利」については言及しているが、Eメール禁止には触れていない。

「【職業の男女均等や職場生活の質に関する年次交渉】従業員が連絡を絶つ権利や企業によるデジタルツールの使用方法の管理は、休憩時間や休暇、そして個人や家族の生活の尊重を保証することが目的だ。
協約がない場合、雇用主が規則を定義し、従業員に適用する。50人以上の企業では、規則は労使協議会の助言に従って作成される。労使協議会がない場合は、デジタルツールの使用方法についてのトレーニングや認知のための活動を実施する」

この法案が通過すれば、雇用主や従業員は、勤務時間外にデジタルコミュニケーションを制限する方法を交渉し、決めなければならない。

労使協議会が存在しない小規模な企業では、上司が規則を定義する。中規模以上の企業では定義するための規則を作成する。企業規模によって対応には差が出るだろう。

実は、英語メディアがこの話題について騒いだのは、初めてではない。2014年にはガーディアンの記事がフランスの新しい労働協約を誤って伝えた影響で、多くの間違った見出しや記事が生まれた。

実は、英語メディアがこの話題について騒いだのは初めてではない。2014年にはガーディアンの記事がフランスの新しい労働協約を誤って伝えた影響で、多くの間違った見出しや記事が生まれた。

当時、BuzzFeed Newsが報道したように、これは「エンジニアリング企業やコンサルティング企業の雇用主連盟間と2つの労働組合(CFDTおよびCGC)間での協約」だった。労働者の健康と福祉を保護するためにデザインされたものだ。

その協約には、労働者が午後6時以降にEメールの返信を禁止することについて一切言及していない。しかし、一日に11時間以上は仕事メールから離れる権利は協約の対象範囲に含まれていた。

これが、誤解の元になっているのかもしれない。

最終更新:5月30日(月)18時3分

BuzzFeed Japan