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昨年のテロ攻撃を受け、強化された全仏オープンの警備 [海外テニス]

THE TENNIS DAILY 5月30日(月)12時0分配信

 昨年11月に起きたパリのテロ攻撃のあとだけに、今年の全仏オープン(本戦5月22日~6月5日)の警備体制は、これまでになく厳しいものとなっている。会場に入るには3つの義務的なチェックポイントを抜けなければならず、観客は一貫して身体検査を受けなければならない。

 フランステニス連盟(FFT)は、配置されているセキュリティ・エージェントの正確な数を明かすことは拒否し、昨年と比べると25%アップだと言うにとどめた。また、会場の外には2つの防御バリアがあり、加えて警察犬も配置されている。

「選手たちがときどき(安全対策について)質問してくる、というのは事実だが、全体的に言えば、彼らは満足しているだろう」と、大会ディレクターのギー・フォジェ氏は言う。

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「彼らは、我々が過去にも、必要なすべての処置をとってきたことは知っている。そして今年もそれらが実施される」

 しかし時折、警備の裂け目も発見されている。昨年は、あるティーンエイジャーが携帯電話でスナップショットを撮ろうと、観客席から降りてコートを横切り、ロジャー・フェデラー(スイス)に近づくという事態が起きた。

 また2009年の決勝では、ファンがコートに駆け込んで、フェデラーの頭に帽子を乗せるという事件が起きている。そして3年前の決勝では、ある男が炎を手にコートに飛び降り、ラファエル・ナダル(スペイン)対ダビド・フェレール(スペイン)の試合が一時的に中断されたこともある。

「大会を開催する人々と町全体が、大会がプレーヤーにとってだけでなく、ファンなど誰にとっても安全なものとなるようにすることに、100%意識を集中させていると思う」とナダルは言った。

 過去に起きた全仏での小事件について聞かれると、世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、「この大会で、警備に問題を感じたことは一度もないよ」と答えた。

「あなたが言及した出来事については知っている。確かにパリで数ヵ月前に起こったこと、現在の世界の情勢を考えると、警備体制を強化する必要があるのは間違いないことだ」とジョコビッチは言う。

「あとで後悔するよりは、慎重にしていたほうがいい」

 130人の死者を出したパリのテロ攻撃のあと、フランスは非常事態の体制を保ち続けている。最近も非常事態の期間は2ヵ月延長され、それによって、全仏オープン、そして6、7月のサッカー欧州選手権、ツール・ド・フランスの期間もカバーされることになった。

 この期間、警察は通常以上の権力を与えられ、人々に自宅監禁を命じたり、ある期間や場所で、デモ活動を行ったりすることを禁じる権利を持つことになる。

 フォジェ氏は、パリ警察との協力体制で行われている全仏オープンのセキュリティプランが、金属探知器の設置されたスタジアム入り口で、例年より長い列を生む原因になるかもしれない、と話した。

 実際、ドロー抽選が行われる数時間前には、セキュリティ・チェックポイントで止まらずにスタジアムに入ろうとした救急医療スタッフが、検査を受けるためにファンや記者たちとともに列に並ぶよう要求される場面もあった。

 警備体制のこれまでとの違いについて、世界ナンバーワンのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、「それは、多くの選手たちが望んでいることよ。少し強化されたセキュリティと安全対策をね」と話している。(C)AP (テニスデイリー/THE TENNIS DAILY)

最終更新:5月30日(月)12時0分

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