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時代を言い訳にしない全時代ロックとは!? 刺激を欲する音楽好きにオススメしたいWalkings

Billboard Japan 5月30日(月)15時5分配信

 厳しい状況が続いている現在の音楽シーンに、時代を言い訳にしない音楽を意味する“全時代ロック”を標榜し、活きの良い活動を続けている3人組のロックバンドがいる。2012年結成、メンバーは90年代生まれ、20代なかばの若者3人からなるWalkingsだ。


<フジロックが震撼? GLIM SPANKYとも並び称される本格派>

 当初は東京を中心にライブ活動や自主制作のCD制作などを行っていたようだが、彼らが大きな注目を集めたのは昨年夏のフジロック。新人アーティストの登竜門と言われる“ROOKIE A GO-GO”ステージの深夜帯に登場し、初見がほとんどというアウェイの中、衝撃的なアクトで多くの観衆を一発で虜にしてしまったのだという。

 演奏技術の高い3人から生み出されるロックとブルースを基調としたソリッドなアンサンブルと、聴き手を一撃で鷲掴みにするキャッチーなテイストが融合した新感覚のサウンド。今夏公開のアニメ映画『ONE PIECE FILM GOLD』主題歌に起用される男女2人組ロックユニット GLIM SPANKYとも並び称され、この春リリースした初のフルアルバム『穴』では耳の早い音楽ファンから高い評判を獲得するなど、これからのブレイクが待望されている若手では屈指の本格派だ。


<初ワンマンで魅せた底無しのポテンシャル>

 そんな彼らは5月21日、東京 渋谷Milkywayにてワンマンライブ【「全時代ロック」単独公演】を開催した。前身バンド“イッキーサンプス”時代より、同じ志を持つ面々を招いて同タイトルを冠したイベントライブを開催してきた彼らだが、意外にも単独公演はこの日が初めて。開演前まではTempalayとリクによるユニット 肝臓にCREW!!!がDJとして、さらに平成生まれの新しいJ-POPバンド ヘンショクリュウがオープニングアクトとしてそれぞれ出演し、盟友の記念すべき1日を華々しく彩った。

 バンドメンバーを紹介する映像のあとに登場したWalkingsの3人は、前述したアルバム『穴』のリード曲でミュージックビデオも公開中の「flying fly」よりスタート。中指にスライドバーを指し、黒いレスポールをかき鳴らす高田風(vo,g)の、白いTシャツにジーパンというシンプルな佇まいは90年代に流行したグランジからの影響も感じさせるが、当然彼らのポテンシャルはそれのみに留まっていない。

 「あんたがいったじゃん」という実にナイスなタイトルの2曲目から高田はギターをクリーム色のストラトに替え、ワウを効かせたカッティングを奇妙なコーラスに絡ませていく「挽回のダンス」、サイケなミドルチューンに1分以上続く壮大でロマンチックなギターソロを響かせる「異国へ行こうか」、スカスカのリズムとスライドバーを使ったリフの組み合わせがクールな「アメーバ」などなど……、豊富な音楽性が耳に楽しい痛快なアクトを畳みかけていくのだ。


<渋い洋楽カバーに不敵なラストまで……、恐るべし全時代ロック>

 また、洋楽カバーを続けるパートでは、ジミヘン「クロスタウン・トラフィック」とビートルズ「アイ・ウォント・ユー」に加えて、スティーヴン・スティルスやニール・ヤングが在籍していたバッファロー・スプリングフィールドの「フォー・ホワット・イッツ・ウォース」という渋いセレクトも。かつて自主制作盤で、ブラインド・ウィリー・マクテルという盲目のブルースマンが1930年代にリリースした楽曲をカバーしていた彼らだが、時代を超えて柔軟に吸収していく姿勢は近年のミュージシャンらしいと言えるかもしれない。

 そしてライブは後半に向けてより熱量を高めていき、「台風」と名付けられた楽曲の終盤、吉田隼人(b)と高梨貴志(dr.)が生み出すアグレッシブな重低音が、高田のラウドなギターと渾然一体で暴れ回るタイトル通りの轟音で圧倒。そして音源では2分14秒という潔さでむき出しの衝動を音にした「無駄」で最高潮を迎えると、“俺たちのバンドのやることのひとつがフェア”だと、メンバー全員がアコギを持ち、ステージ最前に横並びになって「笑われにゆく」とこれまた最高なタイトルのブルージーなバラードでラストという、不敵なエンディングまで用意しているのだからタマらない。初ワンマンという触れ込みを疑いたくなってしまう。


 最後は鳴り止まないアンコールにも応じて、記念すべき一日を締めくくった彼ら。来月も数々のライブ出演が決定しており、6月1日 下北沢DaisyBar、4日 神戸 SLOPE、翌5日は名古屋一帯のライブハウスで行われるサーキット型フェス、26日は千葉 LOOKと、各地で“全時代ロック”に相応しい無類のサウンドを聴かせてくれるだろう。本記事で紹介したライブ終演後、高田に挨拶すると、まるで屈託なく「どこまでも突き抜けたいと思ってます」と笑った。最近、耳から入る刺激に飢えていた御仁には、ぜひともWalkingsをオススメしたい。


撮影:梅田 慎之介

◎アルバム『穴』
2016/04/06 RELEASE
PCD-93983 2,300円+税

◎Walkings ライブ情報
【Slimcat 3rd Single Release Party TOKYO】
6月1日(水) 下北沢DaisyBar
【Dreaming Holiday】
6月4日(土) 神戸 SLOPE
【SAKAE SP-RING 2016 / サカエスプリング2016】
6月5日(日) 名古屋市中心部、栄・矢場町・新栄、大須地区のライブハウス&クラブ

6月26日(日) 千葉 LOOK

最終更新:5月30日(月)15時5分

Billboard Japan