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創意豊かに初夏の一服 金沢で加賀・梅鉢茶会

北國新聞社 5月30日(月)3時6分配信

 加賀藩ゆかりの会場や道具で茶道に親しむ会員制茶会「加賀・梅鉢茶会」(北國新聞社主催)は29日、前田家の菩提寺(ぼだいじ)、金沢市宝町の宝円寺で開かれた。濃茶席は文化勲章受章者の陶芸家、大樋陶冶斎(とうやさい)さん=同市=が席主を務め、県内外から訪れた茶道愛好家は日本工芸界の第一人者である大樋さんの創意あふれる席で、茶の神髄と初夏の風情を感じ取った。

 大樋家は350年前から続く茶陶で、十代長左衛門の陶冶斎さんは今年1月、長左衛門の名を長男に譲った。

 陶冶斎さんは、四代長左衛門のために大徳寺(京都市)の宙宝(ちゅうほう)老師がしたためた軸「不老仙(ふろうせん)」を床に掛け、三代作の風炉(ふろ)、五代作の茶●(ちゃわん)など歴代長左衛門による名品を合わせた。名にちなみ、「陶冶(とうや)」と銘打った千玄室(げんしつ)裏千家前家元作の茶杓(ちゃしゃく)や、東南アジアを中心に海外を巡って手に入れた菓子鉢も用い、普段の作品づくりにつながる豊かな感性と意欲を、もてなしににじませた。

 新潟県上越市から訪れた山口好子さん(75)は「大樋焼にじかに触れ、歴史を陶冶斎さんから直接聞くことができて有意義でした」と充実した表情で話した。

 薄茶席は裏千家正教授竹内宗雪(そうせつ)さん=金沢市=が席主となり、大樋さん作の水指や茶●をはじめ、地元作家による秀品で初夏らしい席をつくりあげた。参加者は庭木の新緑や鳥のさえずりも楽しみながら、心尽くしの一服を味わった。点心席は同市の銭屋が担当した。

 次回は10月30日に兼六園時雨亭に濃茶席、金沢市寺町のつば甚に薄茶席と点心席を設けて開催する。問い合わせは北國新聞社事業局内「加賀・梅鉢茶会」事務局=076(260)3581=まで。

 (●は犯のケモノヘンが夕、下に皿)

北國新聞社

最終更新:5月30日(月)3時6分

北國新聞社