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今年度は全国19件、横須賀・鎌倉も認定された「日本遺産」とは

THE PAGE 6月8日(水)12時0分配信

 4月に19件が認定された今年度の「日本遺産(Japan Heritage)」。神奈川県からは、横須賀市を含む全国の旧軍港4都市が連携した「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できる まち~」、鎌倉市の「『いざ、鎌倉』 ~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~」、伊勢原市の「江戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで『大山詣り』~」が認定を受けた。

 「保存」を重視した従来の文化財行政と違い、「活用」するためのストーリーを対象として2015年に始まった「日本遺産」だが、世界遺産や重要文化財と比べるとまだまだ聞き慣れない。認定にはどんな要素が必要で、メリットはどこにあるのだろうか。

 日本遺産は年に一回、文化庁が都道府県を通じて公募を行う。対象となる文化財群には、国指定・選定のものを一つ以上は含める必要がある。ストーリーは単に地域の歴史や文化財の価値を解説するだけでなく、「歴史的経緯や地域の風土に根ざし世代を超えて受け継がれている伝承、風習を踏まえたもの」であること、「地域の魅力として発信する明確なテーマを設定」していることが求められる。審査基準には、地域性や希少性、訴求力のほか、対象の資源を活かした地域づくりについて、将来像と実現に向けた具体的な方策が適切に示されているかどうか、推進が可能な体制が整備されているかどうかなども考慮される。

 今年度の審査員は、遺産論・建築史を専門とする筑波大学大学院教授の稲葉信子氏、放送作家・映画脚本家の小山薫堂氏、漫画家の里中満智子氏、造園学や観光・レクリエーション計画を専門とする東京大学大学院教授の下村彰男氏、公益社団法人日本観光振興協会常務理事・総合研究所長の丁野朗氏、国宝や重要文化財の修復を手がける小西美術工藝社代表取締役社長のデービッド・アトキンソン氏の6人が務めた。

 認定されたストーリーには、情報発信や周辺環境の整備に整備に係る費用に対する支援も実施される。2020年の東京五輪に向け、旅行者が日本全国を周遊し地域活性化に結びつくよう、全国で100件程度の認定を目指している。

 今回認定された横須賀・呉・佐世保・舞鶴の旧軍港4都市には、日本の近代化を支えた建造物や歴史資料が今も多く残っており、日本遺産に登録される構成文化財は、旧鎮守府の庁舎や砲台、鉄道・水道施設、クレーンなど計80点にのぼる。4市では既に、カレーや肉じゃがなど、海軍ゆかりのグルメが並ぶ「海軍グルメ交流会」を持ち回りで開催しており、17回目の今年は横須賀が会場となる。

(齊藤真菜)

最終更新:6月8日(水)12時0分

THE PAGE