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ブレンド、すし、多収・・・ 米 用途絞り生産振興

日本農業新聞 5月31日(火)14時0分配信

 「あきだわら」「ゆうだい21」「やまだわら」・・・・・・。中食や外食用に軸足を置いた、こうした米の新品種の流通が2016年産で加速する。産地は「産地品種銘柄」を相次いで設定し、生産を強化する。米の食味ランキングを公表する日本穀物検定協会(穀検)は「消費トレンドが変わり、産地は売れる米作りの一環で、中食・外食需要に目を向けるようになった」と分析する。

産地銘柄化 中・外食に的

 農水省によると、16年産での産地品種銘柄数は726。このうち新たな品種銘柄は32あり、前年より8増えた。ブレンド適性や多収性を備えた品種が目立つ。

 愛知や石川、熊本、埼玉の4県で新たに産地品種銘柄に設定されたのは「あきだわら」。米の食味が強過ぎないためブレンド米に向き、コンビニのおにぎりや弁当などで引き合いが強い。「コシヒカリ系には出せない食味があり、取引を求める製造業者が増えている」(東日本の米卸)として、各地のJAなどで生産が広がる。

 愛知県ではJAあいち経済連やJAでつくる協議会が16年産から、「あきだわら」の本格栽培を進める。「多収で値頃感を出せるため、業務筋に売り込める」と県内500ヘクタールを目標に作付ける。

 冷めても電子レンジで再加熱すると、もちもち感が復活し、おいしさが長続きすると、大手コンビニチェーンの冷蔵弁当に採用されている「ゆうだい21」。宇都宮大学の育成品種で、栃木県が産地品種銘柄としている。千葉県と埼玉県も生産が始まり、両県で16年産から設定に動いた。

 熊本県では、回転ずし・スシロー向けに多収品種「やまだわら」の生産が本格化する。同県のJAたまなは、16年産で前年比7倍増の25ヘクタールを作付ける。

 米どころの東北でも、中食・外食への流通を見据えた動きが活発化。福島県ではすし専用品種「笑みの絆」を、山形県ではファミリーレストランなどから引き合いのある、多収品種「萌えみのり」を、それぞれ産地品種銘柄に加えた。

 他にも、兵庫県と京都府で極多収性品種「ほむすめ舞」の生産を始める。岐阜県では、結婚式場など向けの米「縁結び」を今年から県内JAが生産に乗り出すのを機に産地品種銘柄に設定する。

 こうした動きについて穀検は、飼料用米の増産の影響で安いB銘柄が不足している現状を指摘。「中食・外食業界が求める、値頃でブレンドできるといった米を売り込むことで、安定した取引先を確保する狙いがある」とみる。(宗和知克)

<ことば> 産地品種銘柄

 その品種銘柄の名称を米袋に表示して流通するために設定が必要となる。商業取引の実績があり、その品種銘柄を検査する機関があるなど、要件がある。

日本農業新聞

最終更新:5月31日(火)14時0分

日本農業新聞