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なぜ、朝起きられない?「起立性調節障害」の治療と適切なサポート

ベネッセ 教育情報サイト 5月31日(火)14時0分配信

自律神経系のアンバランスによって、しばしば思春期に発症する「起立性調節障害」。起立性調節障害の治療と生活面・精神面での適切なサポートについて、森下克也先生に伺います。

「動揺しない」が第一歩

子どもが朝起きられず、学校も休みがちになれば、心配は当然です。しかし、まずは保護者が「動揺しない」ことが大切です。

起立性調節障害の子どもは、仮病を使うつもりなどなく、ただひたすら体が動かないだけです。保護者が「心が弱い」「怠け病よ」などと感情的な言葉をぶつけた場合、子どもは自分を責め、そのストレスがさらに症状を悪化させることがあります。自律神経は心とつながっているためです。独立心と依頼心の入り混じった、思春期特有の気持ちのブレも、この悪循環に拍車をかけます。

ですから、保護者は決して動揺せず、思春期にはよくあることと冷静にとらえて、すみやかに小児科を受診してください。

薬による治療は「入口」ととらえる

起立性調節障害と診断された場合、まず血圧を上げる薬(昇圧剤)が処方されるケースがほとんどです。これは、脳貧血などの症状を緩和するためで、治療の第一歩と言えます。しかし、病気の本質は自律神経の機能不全なので、昇圧剤の服用だけでは、なかなか根本的な解決に至らないのが現状です。全身のバランスを整える漢方薬の併用も効果的ですが、それでもめざましい改善が見られない例もあります。
自律神経の働きを改善するには、薬物治療だけでなく、生活のリズムを整え、精神的な自立を促すことが必要です。

生活面でのサポート<生活リズムを整える>

◆起床・就寝の時間を一定に
起床・食事・入浴・就寝の時間が一定になるよう、生活リズムを整えましょう。昼夜逆転になっている場合は、1~2週間ごとに15分~30分ずつ、起きる時間を前倒しにしていきます。また、一度起きたらまたベッドに横にならないこと。日中も布団に潜っていると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、倦怠(けんたい)感が取れなくなります。二度寝を防ぐため、自分で布団を片づける習慣をつけるのも効果的です。

◆体を冷やさない食事を
自律神経がうまく働かないと、末端の血流が悪くなり、体が冷えがちに。根菜類・豆類など、体を温める食品を積極的に摂りましょう。生野菜やジュースより、温野菜がおすすめです。

◆こまめに有酸素運動を
筋力を衰えさせないことが重要です。特に脚の筋肉には、下半身にめぐった血液を心臓に向かって押し戻すポンプ作用があるため、脚の筋肉が衰えると上半身に血液が十分送られず、脳貧血などの症状が悪化してしまいます。ジョギング・ウオーキング・ストレッチなどの有酸素運動を、一日10~20分週2回以上、マイペースで続けることが大切です。

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最終更新:5月31日(火)14時0分

ベネッセ 教育情報サイト