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数々のゲーム賞を席巻した『Her Story』ほか、海外インディーの傑作アドベンチャーを多数収録した“Humble Narrative Bundle”が登場

ファミ通.com 6月1日(水)12時15分配信

文:編集部 ミル☆吉村

●凝ったストーリーテリングの海外インディータイトルが集結
 さまざまなゲームがセットになった“バンドル”を購入し、チャリティーに貢献できるという、Humble Bundleに、凝ったストーリーテリングのインディーゲームを集めた“Humble Narrative Bundle”が登場した。販売期間はあと2週間弱、日本時間の6月15日3時ごろまで。

 バンドルで入手できるタイトルは支払った額により異なり、『Her Story』、『Read Only Memories』、『Cibele』は基本セットとしてどんな額でも入手可能。さらに平均(執筆時点で3.87ドル)以上を支払った場合は、『Broken Age』、『80 Days』、『Sorcery! Parts 1 and 2』が、10ドル以上で『Shadowrun: Hong Kong Extended Edition』もついてくるという形。

●収録全タイトルの概要を紹介
 今回のバンドルは、今年のGDCアワードとIGFアワードを席巻した『Her Story』をはじめ、さまざまな賞に受賞・ノミネートされた欧米インディーの話題作が揃って収録されており、この辺の界隈をチェックしている人なら複数本はすでに持っていてもおかしくないほどの充実ぶり(ダブったダウンロードキーは布教用に使おう)。
 というわけでこの際なので、全タイトルの概要をご紹介しよう。なおプラットフォームは基本的にPC/Macで、物によってはLinux版もあるという形。いずれもSteamのダウンロードキーによる提供で、一部タイトルはDRMフリーのPCゲーム配信サイト、GOG.comでのダウンロードキーも付属する。いずれも現状では日本語は未対応(Playismによる日本語版製作も進行中の『Read Only Memories』など、将来的な日本語対応予定があるタイトルも存在する)


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 まずSam Barlow氏の『Her Story』は、かつて起きたとある事件の取り調べ映像が収められた旧式のコンピューター上で進んでいく、一種の推理アドベンチャーゲーム。プレイヤーはさまざまなキーワードでデータベース検索をかけ、どこかミステリアスな女性が映っている実写の取り調べ映像を見ながら、事件の真相を探っていく。
 プレイヤーに提示されるのは検索した断片的な映像だけで、検索&閲覧以外の要素は基本的になく、ゲーム的にプレイヤーに選択を問うたり、質問してくることもなければ、ゲーム的な「答え合わせ」すらない。一連の映像からその順序を推察したり、キーとなりそうな単語をひらめいて検索したり、そこに潜むトリックを見破ったりするのは、本作においてすべてプレイヤーの脳内で起こることなのだ。

 次にMidbossの『Read Only Memories』は、サイバーパンクテイストのポイント&クリック型テキストアドベンチャー。ロボット技術や人体のハイブリッド改造技術などが進化した2064年のネオ・サンフランシスコを舞台に、突如主人公の元を訪れたロボット“チューリング”と、初の自律型人工生命体としてチューリングを開発するも謎の勢力に消されてしまった友人“ヘイデン”をめぐる冒険が描かれる。
 アドベンチャーゲーム『スナッチャー』などに影響を受けつつ、スタジオの地元サンフランシスコのカルチャーを反映した未来像を提示しているのが特徴的な部分。LGBTなどの多様な性アイデンティティーや、動物耳などを持つハイブリッドを含めた幅広い人種構成が自然に混在する、非常に幅広い多様性がパステルカラーのカラフルな世界として表現されている(自然に混在しているというのがポイントで、マイノリティとしての重い意味やジョーク的役回りを持たされるわけではなく、殆どの場合自分はそうだと特に主張するわけでもない。ただ単に人それぞれいろんな属性を持っているだけで、これは現実世界と同じだ)。

 そしてStar Maid Gamesの『Cibele』は、メインクリエイターのNina Freeman氏の個人的な体験も織り込んだ、インターネット(オンラインゲーム)と恋愛と性的なものが絡まりあった複雑な問題を描いた短編。
 ゲームは全3章で、架空のオンラインゲームのプレイや、その間に挿入されるボイスチャット、そして擬似デスクトップ上で閲覧できるメールやショートメッセージなどを通じてストーリーが展開されるインタラクティブパートと、薄暗いオタクグッズだらけの自室でチャット相手に送るための下着写真を撮ったりする実写パート(Freeman氏自ら主人公Ninaを演じる)で構成され、ファンシーなゲーム世界やデスクトップとは裏腹の、ドロドロとした生々しい感情が渦巻く物語を描き出している。

 Double Fine Productionsの『Broken Age』は、宇宙船の中で親コンピューターによって過保護に育てられた少年と、女の子を怪物の生け贄に捧げる風習に反発する少女、育ちも性格もまったく異なるふたりの主人公の冒険を描いたポイント・アンド・クリック型アドベンチャー。
 KickStarterでのクラウドファンディングを大成功させ、その後のクラウドファンディングブームを作ったのも記憶に新しい本作だが、その中身はド直球の青春讃歌。親からの束縛をはねのけ、自分の意志で外の世界に飛び出していく少年少女の瑞々しいパワーに満ちあふれている。

 inkleの『80 Days』は、1872年のスチームパンクな世界を舞台にした、マルチプレイの旅行ゲーム。ジュール・ベルヌの「八十日間世界一周」を下敷きにしており、各プレイヤーはさまざまな移動手段を使って80日間での世界一周を目指す。どんなルートを選択するか、どんなアイテムを持ち歩き、そして使うか、ハプニングが起きた時にどんな選択をするかにより、自分だけの旅行記が刻まれていくわけだ。

 同じくinkleの『Sorcery! Parts 1 and 2』は、スティーブ・ジャクソンによるゲームブック「ソーサリー」四部作からビデオゲーム化したもの(バンドルには含まれていないがSteamでパート3も配信中)。
 ジョン・ブランシュによる挿絵などはそのままに、手描きを活かした3Dマップ、プレイヤーの選択によりストーリーが記されていくなど、ビデオゲームならではの特性を活かしてインタラクティブにジャンルの代表的作品である「ソーサリー」を体験できるようになっている。

 そしてラスト、Harebrained Schemesの『Shadowrun: Hong Kong - Extended Edition』は、テーブルトークRPG「シャドウラン」の世界を土台にした、ターンベースのシミュレーションRPGシリーズの3作目。SFとファンタジーがミックスされた「シャドウラン」ならではの世界観のもと、2056年の香港の混沌とした世界の抗争が描かれる。

最終更新:6月1日(水)12時15分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。