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CNBLUE 360℃囲んだBOICEと共に作った白熱の日本武道館2デイズ/レポート

エキサイトミュージック 6月1日(水)23時15分配信

 
■CNBLUE/【SPRING LIVE 2016 ~We're like a puzzle~】ライブレポート
2016.05.26(THU) at 日本武道館

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「50代になったら“あったかいおっさん”になって、皆さんと一緒にずっとライブをやりたいです」(イ・ジョンヒョン) 

ニューシングル『Puzzle』のリリースを機に、名古屋、東京、大阪で開催された『CNBLUE SPRING LIVE 2016 ~We're like a puzzle~』。4万人を動員した同ツアーの東京・日本武道館2DAYSの初日、5月26日(木)の公演は、冒頭で機材トラブルが発生。1曲目をほぼ演奏し終えた後、登場からやり直すという異例の措置がありながら、ハプニングを補って余りある熱量の一夜となった。

「すいません!」とトラブルをしきりに謝りながら、その代わりに「今日、全部捧げます」とジョン・ヨンファ(Gt,Vo)が誓った通り、10分ほどの待機時間を経て再開した彼らのライブはすさまじいものだった。スタートダッシュを切るランナーのような前傾姿勢でヨンファは「Puzzle」を伸びやかに歌い出すと、台の上に立ってギターをプレイするイ・ジョンヒョン(Gt,Vo)の隣に駆け上るようにして、投げキスを放つ。

身体に響いてくるイ・ジョンシン(Ba)のベースの音色、力強く打ち鳴らされるカン・ミンヒョク(Dr)のドラム。ヨンファは、ステージをぐるりと囲む花道を早々にダッシュして、後方座席の観客を沸かせることも忘れない。「Have a good night」「Catch Me」と連打、美しく洗練されたライティングも功を奏して、CNBLUEのスタイリッシュなダンスビートが武道館で脈打っていた。


謝罪を繰り返し、「今までのライブの中で一番盛り上がるライブを皆さんに捧げます。明日もあるけど、今日が最後な感じで盛り上がっていきたいです!」とヨンファ。セットリストは、最新曲からインディーズ時代までの新旧、日韓の楽曲を織り交ぜて構成。ヨンファはしばしばマイクを客席に向けるのだが、日本語、韓国語、英語、どの曲でもファンが歌詞をそらんじていることに、いつもながら驚かされる。

至宝のバラード「Blind Love」では星空のようなライティングの下、ヨンファもジョンヒョンも柔らかい歌声を響かせた。「Lie」からはヨンファがピアノを弾き語り。「Can't Stop」は曲間でテンポが変動するが、演奏が盤石なので、心おきなくその楽しさに身を委ねることができた。キャンドルのようなぬくもりを感じさせるライトがステージにいくつも灯る中披露した「hold my hands」も、ジャジーなムードに溜め息。シンプルだからこそビートのセンスを問われるリズムを、ジョンシン、ミンヒョクは頼もしく請け負っている。最後、ラララと声を合わせる観客を幸せそうな表情で見つめながらピアノの分散和音で締め括り、「ありがとうございます!」とヨンファ。「僕より皆さんのほうが歌、うまい(笑)」と笑わせた。

中盤に差し掛かると、「Where you are」からはロックバンドらしいハードな楽曲群へ。白い閃光に息を飲んだ直後、ジョンヒョンのメタル調のギターソロが轟き、沸き立つ観客。アレンジを効かせた後奏のセッションも小気味よく、武道館はライブハウスの様相を呈していた。

ファイアーボールが絶え間なく噴出した「Take me higher」、続く「Ryu Can Do It」と、どこをどう切り取っても熱い瞬間の連続。タメの効いた力強いロックヴォーカル、シャウト、アジテーション、細かく粒立ったギターカッティング、重心低く落ち着いたリズム隊、メンバー各自の自信に満ちた佇まい。すべてが圧倒的な力を誇っていた。


「I'm sorry」の段階になると、スクリーンに映し出されるメンバーは汗だく。ジョンヒョンも花道を歩きながらプレイし後方のファンにもアピール、ジョンシンもまた花道の反対方向へと歩き出し、その後を追い掛けるようにヨンファがダッシュ。一人ステージ上に残ったミンヒョクは大きく全身を使いながら粘りのあるグルーヴをしっかりと送り出していた。ラストは花道から全員が戻ってきてミンヒョクの周りに集結、キメの一撃で曲を終えると、大拍手が沸き起こった。

「セットリストをつくりながら、一つ問題があったんです。ライブする前まで気付いてなかったんですけど、これだけ走って……バラード曲歌えない(笑)」と嘆くジョンヒョンに、「僕も走る時、ジョンヒョンのパートの時にハーハー(と、息継ぎのアクション)」と応えるヨンファ。「eclipse」からのブロックは息を整えて、静けさの中に観客を引き込んでいく。アコースティックギターを奏でながら、息継ぎの一つ一つにすら情感を込めるジョンヒョンの歌に、表現の深まりを実感した。

続く「IRONY」は、メジャーコードの中に一瞬だけ差し挟まれるやるせないフレーズが印象深く、ヨンファの泣きのギターソロも効いている。いつの間にかスモークが立ち込め、幾何学的な曲線を活かした劇的なライティングが施されると、ステージが異界の様相を呈し始め、「realize」がスタート。曲の前半からサビへと移行する際ガラリと曲調が変わるこの曲を、より磨かれた演奏力と表現力によってドラマティックに体現。目を閉じて声をどこまでも長く伸ばすヨンファの姿が象徴的だが、彼らは自分たちの音楽に深くのめり込んでいて、だからこそ、観るものを強く引き付ける吸引力があった。


前列にいた男性ファンと直接対話するなど、観客とコミュミュケーションを図りながら、いよいよ最後のシークエンスへ。「僕はダンスマシーンです!」と宣言した通り、ヨンファが思い切り弾けたダンスを盛り込みながら、「Hide and Seek」を披露。ジョンヒョンのファンキーなカッティングは実に歯切れがよい。ステージ向かって右側の花道端でジョンヒョンがギターソロを奏でれば、その反対の左端ではヨンファが、ターンも盛り込みながらダンスソロを見せて沸かせる。

「Wake Up」からは、ステージ下方からせり上がる形でホーンセクションの6人が登場し、ゴージャスな音色が加わることで、会場の熱気はますます上昇。ミンヒョクが踏み鳴らすバスドラのリズムに合わせたコール&レスポンス、折り曲げて上げた脚を反対側の手で叩くフリをメンバーが順に披露し、やがてジョンヒョンがミンヒョクの代わりにドラムを叩くと、ミンヒョク、ジョンシン、ヨンファで振りを揃える場面も。


その楽しさ溢れるムードをそのまま引き継ぎながら、激しく明滅するライトの中「Lady」を放つと、ヨンファはパンチの効いた、腹の底から声を絞り出すようなヴォーカリゼイションでグイグイと曲を引っ張っていく。後方の花道へとダッシュし、寝そべったり、客席の壁に脚をかけてみたりと、パフォーマンスも連動してアグレッシヴに。跳ねるリズムはまだまだ続き、次の「Cinderella」ではミラーボールが会場全体を眩しく照らし、ホーンセクションの鳴らす彩り豊かな音色と熱いバンドサウンドとが絡み合う。ボルテージは上昇を続けたまま、本編最後は「YOU'RE SO FINE」で明るく、温かく締め括った。

アンコールは「In My Head」で幕開け。片足を台に載せ、ネックをなめらかにすべらせ艶っぽい音色を奏でるジョンシンに目を奪われる。無数のファイアーボールが再び噴出し、視覚的にダイナミズムを感じただけでなく、「熱い、びっくりした!」と歌い終えたヨンファが語ったように、客席にも熱波は届いていて、リアルな体感としてもライブならではの臨場感を味わうことができた。

続いて、EDMとバンドサウンドを融合させた「Radio」ではエッジの効いたサウンドで圧倒。どんなジャンルもリズムもしっかりと咀嚼して、“CNBLUEの曲”として表現しきっていた。




ライブはいつも楽しい、と振り返りながら、ヨンファは、「僕は、ライブの時は大変じゃなくて、皆さんから気合いをもらいます。今日はたくさんいい気合いをもらいました。ありがとうございます。感無量です。CNBLUE、デビューして5年ですね。いつも応援してくれてありがとうございます!」と改めてファンに感謝を伝えた。

「いろいろあったんですけど、いつも僕たちを応援してくれるみんながいるから……僕たちは忙しいですけど、ツアーの準備をする“頭”から(切り替えて)、幸せの“心”で準備しました」とジョンシン。「僕はヒマです(笑)。釣りばかりしてました」とジョンヒョンは笑わせたが、開演10分前に受けたインタビューで「30代ではどういう人になりたいですか? という深い質問をもらって」と語り始める。「普段は釣りばかりしている何もない人間なんですけど、ここの舞台の上ではなんとなくすごい人になった気がして。これは俺らだけじゃなくて皆さんがそうしてつくってくれるんだ、と思いました」と感謝を述べ、「何もない人をカッコいい人にしてくれてありがとう。30代になってもこうやって(みんなが自分のカッコよさを)つくってくれると思うので、50代になったら“あったかいおっさん”になって、皆さんと一緒にずっとライブをやりたいですね」という未来への夢も飛び出した。

ミンヒョクも、「今日のステージは今年初めてのライブ(ツアー)、皆さんと会うステージですから、すごい気持ちいいです。本当にありがとうございます。いつもドラムが後ろですけど、今回は皆さんが後ろにいて、力が真ん中に入ってる感じでいいですね! 皆さんが真ん中を見て応援してくれて、僕はこのステージの上で全力を尽くします。皆さんのお陰です」とやはり、ファンへの感謝を口にした。


ヨンファは、「僕も元気でいい曲をつくって皆さんにあげたいです。皆さんがいつも笑うことだけあってほしいです。僕がここから応援します。最後の曲ですけど、皆さんも曲からいい気合いをもらって帰ってください。今日は本当にどうもありがとうございました!」と心のこもった挨拶をすると、「YOUNG FOREVER」を放った。「Thank you 武道館!」と歌に盛り込み、メンバー全員のコーラスで美しいハーモニーを奏で、温かく会場を包み込んだ。

4人で揃って花道を回り、各方向へと挨拶をしてついに終演。作品を発表するごとに楽曲のバリエーションが広がり、各自の演奏力、歌唱力、表現力も一層伸びている彼ら。4人らしいグルーヴ感が心地よい公演であると同時に、ライティング、炎の演出が素晴らしく、スクリーンに映像を映し出すことなく絵画的なイメージを浮かび上がらせることに成功していた。今後どんな曲を生み出しても彼らが鳴らせば彼らの音になるし、ライブでそれを体感するのは極上の楽しさに違いない。そう改めて思わせる、堂々たるステージだった。
(取材・文/大前多恵)

最終更新:6月2日(木)23時15分

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