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保育士足りない 有資格者就職に二の足

福島民報 6月1日(水)11時56分配信

 福島県内の保育所で保育士不足により入所希望者を断らなければならないケースが出てきている。待機児童対策として相次いで施設が開所し定員は増えているが、なり手が少ないためだ。希望者が増えない背景には他の職種より平均賃金が低く、有資格者が就職に踏み出しにくい事情がある。

■入所希望断る施設も

 いわき市のさかえ保育園は昨年10月ごろからハローワークを通して保育士を募集したが応募はなかった。
 同園によると、育児休暇を終えた保護者が職場復帰するため年度途中から子どもを保育園に預けたいと希望するケースがある。希望に応えるには年度途中に保育士を採用する必要があるが増やせなかったため、問い合わせのあった5、6人の入園を断ったという。宮内隆光園長(45)は「保育士の資格を持っていても現場に出ない人の中には現在の労働条件や処遇を見て二の足を踏んでいる人もいると思う。一層の改善が必要」と訴えた。
 郡山市のひよこ保育園は、保育士不足のため定員66人に対し現状では50人を受け入れるのが精いっぱいだ。ここ2、3年は求人広告を出しても集まらず、毎月10件以上は寄せられる入園希望に応じられない状況が続いている。
 県内の認可保育所でつくる県保育協議会の国井隆介会長(67)は「国は待機児童対策として保育所を増やそうとしているが、保育士が追い付かず預かれない状況が起きている。国は保育士の給与を上げ、待遇の改善を図るべきだ」と訴えた。

■働きたくても…条件整わず

 福島労働局が31日に発表した4月の保育士の求人数541人に対し、280人の求職者がいた。有効求人倍率は1・93倍で、23年度の0・57倍から年々上がり、保育士を募集しても人材確保が難しい状況になっている。
 一方、保育士の有資格者で就職希望の407人のうち127人が保育士以外を希望している。労働局の担当者は「県内の保育士の正社員求人は求人全体の2割に満たない。賃金も事務職や販売員を下回っている」と理由を分析する。保育士として働きたくても生活の安定のため賃金の高い別の職業を選択する状況になっている。
 県によると、県内の保育施設の数は28年4月1日現在、397カ所で前年同期比44カ所の増。受け入れ可能な子どもの数は3万5406人で前年同期比で6034人増えた。

福島民報社

最終更新:6月1日(水)11時58分

福島民報