ここから本文です

5月の「円安」関連倒産は8件、2カ月連続の1桁台(速報値)

東京商工リサーチ 6月1日(水)16時0分配信

 5月のドル円相場は、月初に1ドル=105円台をつけるなど円高・ドル安に振れていたが、30日の東京外国為替市場では、約1か月ぶりの円安水準となる1ドル=111円台で取引された。
 ドル円相場は、今年2月に日銀がマイナス金利政策を導入した影響などから、円高傾向に振れた。しかし、為替相場の揺り戻しに加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が数カ月のうちに利上げが適切になるとの見方を示したことでドル買いが強まりをみせた。
 こうしたなか、2016年5月の「円安」関連倒産は、速報値で8件(前年同月7件)にとどまり、2カ月連続で1桁台で推移した。
 ただし、これまで中国や新興国などの景気減速から資源価格の低下を招き、円安が必ずしもコスト高に直結していなかったが、経済産業省の調べによると5月23日時点でのレギュラーガソリンの全国平均小売価格は11週連続の値上がりをみせるなど、状況に変化も出てきている。
 
2016年5月の倒産事例
 活魚販売の幸進水産合同会社(TSR企業コード:822032511、法人番号:2500003001042、愛媛県)は、伊予柑をブレンドした飼料で育てた養殖の真鯛、ブリなどの活魚を取り扱っていた。しかし、魚価の低迷で収益性は乏しかったところに、円安に伴う飼料価格上昇の影響から資金難になり、破産に踏み切った。
 石材販売の(株)阿部石材商会(TSR企業コード:314160370、法人番号:7030001063565、埼玉県)は、中国から石材を調達していたが、一定量以上を仕入れする条件があるなかで、円安基調から輸入価格が上昇した。仕入負担が嵩んだことで資金繰りが悪化し、破産を申請した。

1-5月の産業別、卸売業が前年同期を上回る
 2016年1-5月の「円安」関連倒産は51件(速報値・前年同期比25.0%減、前年同期68件)だったが、産業別では卸売業が前年同期比10.3%増(29→32件)と前年同期を上回った。今後も輸入品や海外からの原材料などを扱う企業の動向が注目される。

東京商工リサーチ

最終更新:6月1日(水)16時0分

東京商工リサーチ