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【ブラジル】零細・小企業減収続く 今後の状況、楽観的な見方も

サンパウロ新聞 6月1日(水)3時44分配信

 サンパウロ州内の零細・小企業の実質売上高は2016年3月、前年同月の実績を13.6%下回り、09年の水準にまで落ち込んだ。前年同月割れはこれで15カ月連続だ。16年第1四半期(1~3月)累計の実質売上高の落ち込みは前年同期比15.1%減とさらに大きい。零細・小企業支援サービス機関サンパウロ州支部(Sebrae―SP)のデータに基づいて伯メディアが19日付で伝えた。

 サンパウロ州内零細・小企業の今年3月の売上高は合計466億レアル(約1兆3980億円)。15年3月よりも73億レアル少なかった。産業別では、商業が前年同月比14.9%減と最も大きく落ちんだほか、サービス業と工業もそれぞれ13.0%減、10.9%減と二けた台の落ち込みを記録した。零細・小企業の業績不振は、今更言うまでもないことだが、失業率の上昇、労働者らの実質賃金の減少、そして経済の不確実性の拡大といった要因によって起こっている国内消費の冷え込みによるものだ。

 零細・小企業支援サービス機関サンパウロ州支部のブルーノ・カエターノ専務理事は「連続した売り上げ縮小の後、小規模ビジネスの状況は非常に繊細、デリケートなものになっている」と話し、景気後退による難局を乗り切るにあたっては「起業家らはこれまで以上に経営に専念し、非常に慎重に各ステップを計画し、市場にとどまり続けるために機会に注意を向けている必要がある」と指摘する。

 サンパウロ州内の各地域ごとの16年3月の売上高は、サンパウロ市近郊の工業地域であるABCパウリスタ地域は前年同月比24.0%減、サンパウロ市とABCパウリスタを含む39都市で構成される大サンパウロ都市圏は同18.6%減、サンパウロ市は同14.4%減、そして地方部は同8.2%減。自動車産業が集積しているABCパウリスタ地域は新車販売の低迷で大きな打撃を受けており、それによって同地域で商業、サービス業に従事する零細・小企業の業績が大きく損なわれている。

 16年第1四半期には、サンパウロ州内零細・小企業の雇用と賃金はいずれも15年同時期に比べて悪化した。共同経営者や家族、従業員、外部委託スタッフを合わせた就業者数は15年第1四半期に比べて2.5%減少。会社が支払った給与は同3.3%減、従業員らの収入は同0.2%減った。

◆個人零細企業は20%超の落ち込み

 売り上げの落ち込み幅は、零細・小企業よりも個人零細企業の方が大きかった。16年3月の個人零細企業の実質売上高は前年同月に対して20.6%減少、15年3月よりも5億9460万レアル少ない23億レアルにとどまった。個人零細企業の実質売上高の前年同月割れはこれで8カ月連続。

 産業別では、工業の売上高が前年同月比実質27.9%減、サービス業が同21.5%減、そして商業が同15.0%減だった。

 地域別では、大サンパウロ都市圏の個人零細企業が前年同月比25.2%減という非常に大きな減収を記録。地方部は同14.4%減だった。

◆先行き見通しは──

 今年4月に実施した調査では、先行き6カ月の自社の売上高について、零細・小企業経営者の58%が横ばいとの見通しを示した。15年4月調査時に同様の見方を示したのは59%だった。また、ブラジル経済全体の先行きについては、44%が活動レベルの維持に期待を寄せた。同様の回答は15年4月調査時には39%だった。ブラジル経済がさらに悪化するとの見方を示した経営者の割合は1年前の調査時の38%から25%に縮小した。

 一方、個人零細企業の見方は、零細・小企業経営者のそれよりも楽観的だ。今年4月調査では全体の42%が売り上げが伸びるとの見通しを示した。15年4月の50%に比べて縮小したが、現在の厳しい状況の中で10人中4人が前向きな考えを示している。横ばいと答えた人の割合は15年4月の33%から38%に拡大。減少すると答えた人は前年の14%から16%に増えた。また、ブラジル経済の先行き6カ月については、33%が悪化すると回答(15年4月時45%)、横ばいとの回答も33%(15年4月時24%)だった。良くなると答えたのは27%(15年4月時26%)だった。

 同調査ではサンパウロ州内の零細・小企業経営者1700人と個人零細企業1000人に対して聞き取りを行った。なお、ここで言う零細・小企業とは、商業及びサービス業では従業員49人以下の企業を、また製造業では従業員99人以下で年間売上高360万レアル未満の企業を指す。

サンパウロ新聞

最終更新:6月1日(水)3時44分

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