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神戸スタークラブ閉店 ライブハウスの今

Lmaga.jp 6月1日(水)12時0分配信

大阪の老舗ライブハウス「難波ロケッツ」の閉店に続き、神戸の音楽シーンを支え続けた「スタークラブ」(神戸市中央区)も6月末をもって閉店することに。近年、CDの売上は減少の一途を辿るが、ライブの動員数は増えている。ところがライブハウス閉店のニュースは相次いでいるというこの現状について、「スタークラブ」の現店長である藤村優さんに話を聞いてみた。

「ライブハウスは減ってはないんです。むしろ、神戸は逆にライブハウスが多すぎるんじゃないかなって思いますね。僕が高校生の時はチキンジョージ、アートハウス、スタークラブくらいしかなかったので。出演するにも3カ月後までスケジュールとか埋まってる状況でした。でも今やバンドマンがライブハウスを選ぶ時代。ライブハウスを顧みるバンドマンが減っているのも事実ですね」

さらに、今の時代ならではの変化が浮き彫りになってきた。「今の学生たちはすごく現実的。高校生バンド大会とか開催したらいっぱい集まるくらいバンドの数そのものは多いんです。でも活動のサイクルがめっちゃ早いんですよね。すごく現実を見てるというか、大学卒業するまでに事務所とかが決まらんかったら、バンド活動はやめるって感じで。でも僕らは、そんな子たちにいろんな話をしたり、経験させてあげたいんですよ。それは、僕が高校生の頃にアルカラの稲村(太佑)さんやアートハウス店長の西本さんによくしていただいてたからで。音楽を仕事にするきっかけとなった、僕にとって熱烈なヒーロー達でしたから」

スタークラブといえば、「僕らはスタークラブに育ててもらい、それと共にスタークラブを育ててきた」と公言する神戸在住のパンクバンド・ガガガSPなど、多くの人気バンドと共に歩んできたライブハウス。藤村さんも、現在ロックバンド・ソウルフードのメンバーで、当時のバンドで高校生の頃からスタークラブを利用していた。店長となったのは2年前。

「色んな方が店長をやったりブッキングをしていたんですが、2年前に経営難で閉店しかけたみたいなんです。でもやっぱり、スタークラブはなくなったらアカンと思い、店長になったんです」。バンドマンである藤村さんは、以前よりもホールレンタル料を下げるなど昔のスタークラブとは違う経営方針を打ち出してきた。それもこれも、『カミングコーベ』やバンドとしての成功に夢を持つ地元のバンドマンを応援していきたい、バンドの楽しさを教えたいとの想いからで、結果、高校生や大学生など学生の出入りも増加していた。

そのように若い地元バンドに寄り添う形で2年やってきての、この閉店の知らせ。「僕たちもすごい急な通達だったので・・・諸事情で今のライブハウスを維持することができなくなってしまって。関係各所と協議を続けてきたんですが、店舗の形態が変わってしまうなど、スタークラブとしてのベストな環境を提供することが難しくて。ライブハウス自体は赤字ではなかったし、今のスタークラブの色が出てきた時なので、悔しい気持ちでいっぱいです」と心残りをにじませる。

だが、藤村さんをはじめ、神戸のライブハウスには現役バンドマンやバンドマン上がりの店長が多く、スタークラブのように「バンドマンを育てたい」という熱い志を持ったライブハウスはまだまだ存在している。今年4月にはハーバーエリア波止場町に、神戸最大級のライブスペース「Harbor Studio」がオープンするなど、むしろ盛り上がっていくように思える。関西の音楽シーンを支えてきたライブハウスが閉店してしまうのは、やはり寂しさを隠せないが、22日はキングブラザーズ、28日はガガガSPとKNOCK OUT MONKEYといったスタークラブに特に思い入れのあるバンドたちがライブを行うとのことで、ラストに向かって伝説となる夜が続きそうだ。

最終更新:6月1日(水)12時0分

Lmaga.jp