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H5亜型判定30分 鳥インフルで麻布大開発

日本農業新聞 6月2日(木)12時30分配信

 H5亜型鳥インフルエンザの感染を高い精度で迅速に判定する遺伝子検査技術を、麻布大学の塚本健司教授が開発した。既存の簡易検査では特定できないH5亜型の感染の有無を最短30分で判定できる。検査は専門技術が要らず、低コスト。感染が常態化するアジア地域で普及させれば、国内へのウイルス侵入リスクの低減も期待できる。

 ランプ法と呼ばれる遺伝子検査の手法を利用する。診断には、標的となる遺伝子だけを増幅させるきっかけになる試薬が必要だが、H5亜型は遺伝子が多様なため、既存のランプ法では精度が低く実用的ではなかった。

 塚本教授は、米国の遺伝子バンクに登録がある全世界のH5亜型、2597遺伝子のデータを解析。人工合成遺伝子で試験し、ほぼ全てを検出できる試薬の設計方法を開発し、作成に成功した。

 この検査法では、試薬や蛍光たんぱく質などが入った溶液に疑似患畜から採取した総排せつ口拭い液を入れ、温度を60度に保ち、紫外線に当てる。感染していれば発光し、30分から1時間で感染が判断できる。既存は診断だけで3時間ほどかかる。都府県ごとに1カ所の専門機関まで持ち運ぶ手間もあり、通報から判定まで10時間以上かかる場合もあった。

 新たな検査法は、熟練技術がなくても高精度で判定可能。従来法装置と比べ10分の1、およそ50万円と、各家畜保健衛生所などで導入しやすい。

 H5亜型は今年、アジアだけでも韓国や中国、ベトナムなど8カ国以上で発生。日本へのウイルスの侵入リスクは高い。塚本教授は「海外でも普及し、素早い防疫につながれば、国内のリスクを低減できる。人の診断にも使え、世界的大流行(パンデミック)の抑制も期待できる」という。

日本農業新聞

最終更新:6月2日(木)12時30分

日本農業新聞