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消費増税の再延期表明 埼玉の与野党「賢明な判断」「政治の信頼失う」

埼玉新聞 6月2日(木)10時30分配信

 安倍晋三首相が来年4月に予定していた消費税増税を2019年10月まで再延期することを正式に表明した。埼玉県内において、与党からは「賢明な判断」と支持する声が上がる一方、野党は「政治への信頼を失う」と批判を強めた。22日公示の参院選に向け選挙戦が実質スタート。増税延期により、社会保障政策はどうなるのか。財源問題が主要争点となる。

■財源確保に工夫必要

 首相補佐官を務める自民党県連の柴山昌彦副会長(衆院8区)は「世界経済のリスクに着目し、再延期を決断した。野党の『アベノミクスの失敗』との批判は当たらない」と首相判断を容認する。社会保障の充実などは待ったなしの課題だが「今後(財源の確保に向け)党内で相当な工夫、議論が必要になるだろう。しっかり解決していかなくてはならない」と力を込めた。

 同県連の関口昌一副会長(参院埼玉選挙区)は「世論の動向を踏まえての決断だ。社会保障の財源を見込んでいた部分をどうするかが課題になる。知恵を出し合いながら前に進める」。同県連の新藤義孝会長(衆院2区)は「経済好循環の実現に向け、1億総活躍のアベノミクス第2ステージの推進や熊本地震の復興など、さまざまな課題を前に進める」と話した。

 一方、公明党県本部の西田実仁代表(埼玉選挙区)は、「日本のデフレからの脱却は、あと一歩というところまできた」と述べ、首相の決断に理解を示した。同県本部の福永信之副代表(県議)も「税収増が続き、雇用情勢も『人手不足』へと劇的に改善した」とアベノミクスを評価した上で、増税再延期は「消費が振るわない中で、賢明な判断だ」と支持した。

■政治への信頼損なう

 民進党県連の大島敦代表(衆院6区)は「(安倍)首相の言葉が軽い」と強調。14年11月に増税延期を表明した際、再延期しないと断言したことを引き「総辞職することなく延期するのであれば、政治への信頼が損なわれる。政治は結果責任」と批判する。

 社会保障の財源確保や厳しさを増す財政再建は大きな課題。大島代表は「日本経済や構造改革、社会保障や雇用問題をどうするのかという議論が足りない。まずは8~10%にすんなり上げるべきだ」と増税の必要性に言及した。

 同県連の坂本祐之輔副代表(衆院比例北関東)も「再延長の理由を先進7カ国の伊勢志摩サミットの場を利用して世界経済に責任転嫁したことは極めて遺憾。アベノミクスの失敗が原因であると認めるべき」と求めた。

 共産党は今国会閉会後の1日午後、参院埼玉選挙区の公認候補予定者らが早速、JR浦和駅西口で街頭演説した。

 同党の塩川鉄也衆院議員(比例北関東)も駆け付け、「(消費増税の再延期は)アベノミクスは失敗だったと認めたのと同じ」と糾弾。「国民の利益より一握りの大企業の利益を優先する経済政策で、安倍暴走政治のゆがみの大本。(参院選で)審判を下すしかない」と声を大にした。

最終更新:6月2日(木)10時30分

埼玉新聞